クリーク・アンド・リバー社は23年2月期1Q大幅増益と順調

(決算速報)
 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は7月7日の取引時間終了後に23年2月期第1四半期連結業績を発表した。日本クリエイティブ分野や医療分野の好調が牽引して大幅増益となり、第1四半期として過去最高業績だった。そして通期予想の2桁増益予想を据え置いた。第1四半期が順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年2月期1Q大幅増益と順調、通期上振れ余地

 23年2月期第1四半期の連結業績(収益認識会計基準適用で売上高に影響だが、利益への影響軽微)は、売上高が前年同期比7.3%増の113億71百万円、営業利益が37.1%増の16億87百万円、経常利益が35.9%増の16億95百万円、親会社株主帰属四半期純利益が41.3%増の12億44百万円だった。

 日本クリエイティブ分野や医療分野の好調が牽引して大幅増益となり、第1四半期として過去最高業績だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が6億02百万円、売上原価が6億02百万円減少している。この影響を除くと売上高は13.0%増収だった。営業利益以下への影響は軽微だった。なお売上総利益率は3.2ポイント上昇した。

 日本クリエイティブ分野は売上高が4.2%増の74億69百万円(収益認識会計基準適用の影響を除くと12.6%増収)で、営業利益(調整前)が34.0%増の8億83百万円だった。売上面ではTV番組企画・制作、YouTubeチャンネル運用受託、ゲーム制作受託・開発、Webコンテンツ制作・開発、さらに「漫画LABO」関連などを中心に伸長した。利益面では増収効果に加えて、利益率の高いプロデュース関連の好調やDXによる生産性向上なども寄与した。

 韓国クリエイティブ分野は、TV局への派遣が横ばいだが、コンテンツ事業のデジタルコミック(Webtoon)やYouTube関連が伸長し、売上高が1.0%増の9億03百万円で営業利益が19.2%増の2百万円だった。

 医療分野は売上高が22.8%増の18億09百万円で営業利益が51.1%増の8億40百万円だった。医師紹介が好調に推移し、新規事業(クリニック経営支援)投資を吸収した。なおコロナ禍の影響がやや和らいだため、レジナビFairのリアル開催を2年ぶりに再開し、オンライン開催と合わせたハイブリッド化を実現した。

 会計・法曹分野は売上高が6.4%増の5億49百万円で営業利益が58.8%増の29百万円だった。コロナ禍の影響を受けていた紹介が回復基調となった。

 その他事業(新規事業、3社を新規連結して合計12社)は売上高が16.7%増の6億38百万円で、営業利益が79百万円の損失(前年同期は7百万円の損失)だった。投資段階の事業が多いため全体として営業損失だが、売上面では12社のうち7社が増収、利益面では12社のうち3社の損益が改善した。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年2月期比5.3%増の440億円、営業利益が17.2%増の40億円、経常利益が17.0%増の40億円、親会社株主帰属当期純利益が12.4%増の25億円としている。なお収益認識会計基準適用の影響を除く従来方法ベースの売上高は10.0%増の460億円の計画としている。配当予想は22年2月期比3円増配の23円(期末一括)としている。12期連続増配予想である。

 引き続き日本クリエイティブ分野の好調が牽引し、成長投資(人材、広告宣伝、開発など)を吸収して増収・2桁増益予想としている。グループ子会社の収益拡大も寄与する見込みだ。通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が26%、営業利益が42%、経常利益が42%、親会社株主帰属当期純利益が50%だった。医療分野の収益は上期偏重となる季節特性があることを考慮しても順調な水準であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。7月7日の終値は2123円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円15銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS540円83銭で算出)は約3.9倍、時価総額は約488億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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