アイリッジ、NTTデータの「ことらWebViewサービス」を開発支援

■金融機関および資金移動業アプリへの個人間送金実装工数を削減

 アイリッジ<3917>(東証グロース)は、NTTデータ<9613>が11月24日より商用化予定の「ことらWebViewサービス」を開発支援したと発表した。金融機関や資金移動業アプリ提供事業者は同サービスを利用することで少額送金インフラ「ことら送金」の組み込みにかかる開発工数や費用を大幅に軽減できるようになる。なお、同サービスはファーストユーザーとして地方銀行2行の利用が決定している。WebViewはスマホアプリ内のブラウザでWebページを表示する機能のことである。

 「ことら送金」は、株式会社ことら(東京都中央区)が10月11日に開始した、多頻度小口決済のための新たな送金インフラである。1回あたり10万円以下の個人間送金が可能で、電話番号やメールアドレス等を指定した送金も行える。手数料はアプリ事業者が決めることになっており、従来の銀行振込よりも送金に係る手数料が無料~少額に低減される。その他にも、メッセージを併せて送ったり送付完了通知を受け取ったりできるが、ユーザーの利便性が大きく上がる一方で、事業者側の「ことら送金」を組み込むためのアプリ開発負担は小さくない。なお、株式会社ことらは、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行による、多頻度小口決済のための新たな決済システムの企画・運営をおこなう合弁会社である。

 このような背景からNTTデータでは、「ことら」に参加する事業者が「ことら送金」をアプリに組み込む負担を軽減し、個人間送金の普及拡大に貢献する目的で「ことらWebViewサービス」の提供を開始する。

 アイリッジは、地銀や信金・信組に向けたアプリバンキングサービス領域において2015年よりNTTデータと共同開発を行っており、50以上の金融機関アプリへのソリューション提供実績があることから、同サービスにおいても開発支援およびグロースハックのパートナーに選ばれた。

 「ことらWebViewサービス」は、金融機関や資金移動業アプリで「ことら送金」を実装する際に、送金画面及び「ことら」のインフラとのAPIの接続部分まで提供を行うサービス。送金画面についてはロゴやヘッダーの色などはカスタマイズが可能である。また、セキュリティ対策用の付加機能として、1日あたりの送金累積額上限チェックや、送金を伴わない名義照会の連続回数制限が可能となっている。
 
 今後、デジタル給与が2023年4月にも解禁する見込みとされ、送金相手のアプリを選ばず個人間送金ができる「ことら送金」の需要は大きく伸びることが予想される。NTTデータではこれらの需要を背景に、幅広い事業者への「ことらWebViewサービス」導入を目指すとし、また、アイリッジでは、引き続き「ことらWebViewサービス」の開発支援・グロースハックパートナーとして、サービス向上に努めるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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