【注目銘柄】オルガノは権利分割落ち後高値更新、連続最高業績見直しに信用好需給がオン

 オルガノ<6368>(東証プライム)は、前日13日に48円高の3010円と4営業日続伸して引け、取引時間中には3070円と買われ、大引け値とともに11月25日につけた株式分割の権利落ち後高値2994円を更新した。今年10月24日に発表した今2023年3月期業績の上方修正と増配を見直し、純利益が、期初の減益転換予想が増益に変わり連続過去最高更新となることを手掛かりに割安修正買いが増勢となった。信用取組が、売り残・買い残とも積み上がり株不足となっていることも、売り方の買い戻しを促すとして好需給材料視されている。

■受注高が期初予想を上回り円安により海外売り上げの為替差額も上乗せ

 同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げを150億円、営業利益を28億円、経常利益を35億円、純利益を33億円それぞれ引き上げ売り上げ1400億円(前期比24.9%増)、営業利益145億円(同33.6%増)、経常利益152億円(同31.6%増)、純利益115億円(同24.9%増)と見込み、前期に続く過去最高更新となる。とくに純利益は、前期に計上した固定資産売却益11億5000万円が一巡し期初には減益転換と予想していたことをカバーした。

 台湾で高水準の最先端の半導体投資が続き、国内でも半導体やウエハー関連の大型プロジェクトを受注し、受注高が期初計画を450億円上回る1700億円(前期比25.3%増)と過去最高を更新し、この受注増に円安により海外売り上げに為替差額が上乗せとなり、さらに原材料価格上昇の製品価格への転嫁やコストダウン効果も加わったことなどが要因となった。配当は、中間配当を期初の80円から116円に引き上げ、株式分割(基準日9月30日、1株を4株に分割)の権利落ち後の期末配当を20円から29円に引き上げ、分割を勘案すると年間配当は前期の160円から232円への大幅連続増配の計算となる。

■PERは11倍と割安で信用倍率は0.9倍で逆日歩もつく好需給

 株価は、今期業績の続伸予想と株式分割を手掛かりに上場来高値1万640円まで約2000円高して8840円で分割権利を落とした。分割権利落ち後は、理論価格を下回る分割権利落ち後安1981円まで売られたが、割安半導体関連人気でリバウンドし、今期業績の上方修正と増配を手掛かりに2994円高値まで買い進まれ、高値もみ合いから分割権利落ち後高値3070円まで上値を伸ばした。この間、信用取組も売り残・買い残とも積み上がりに信用倍率が0.94倍で逆日歩もつく好需給となっている。PERは11.9倍と割安であり、売り方の買い戻しも交えて分割権利落ち後高値を更新したここからは一段の上値チャレンジを強めよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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