日産自動車は新開発電動パワートレインの試作ユニットを公開

■EVとe-POWERで主要部品の共用化とモジュール化を推進

 日産自動車<7201>(東証プライム)は3月9日、電気自動車(以下EV)とe-POWERの主要部品を共用化し、モジュール化した新開発電動パワートレイン「X-in-1」の試作ユニットを公開した。日産は、2026年までに2019年比でコストを30%削減した本電動パワートレインを採用し、EVとe-POWERの競争力をさらに向上させる。

■2026年までにコスト30%削減を目指す

 日産は現在、モーター、インバーター、減速機の3つの部品をモジュール化したEV用の「3-in-1」、またモーター、インバーター、減速機に加えて、発電機、増速機の5つの部品をモジュール化したe-POWER用の「5-in-1」を開発している。本「X-in-1」の特長は以下の通りである。

●主要な駆動部品の共用化と、ユニットのモジュール化による生産効率の向上により、パワートレイン コストを2019年比で約30%削減し、e-POWERにおいては2026年までにエンジン車と同等の車両コストを目指す

●ユニットの小型化と軽量化により、車両の走行性能や音振性能を向上させる

●重希土類の使用を1%以下(磁石重量比)まで削減した新開発のモーターを採用予定である

●駆動部品や制御技術を共用し、EVとe-POWERどちらも日産の電動車ならでは の魅力的な運転体験を提供する

 日産でパワートレイン開発を統括する専務執行役員平井俊弘は、「日産は早期にEVを市場投入し、実際にEVを使用されているお客さまの声を聞くことで電動化技術を進化させてきた。また2016年にEV技術を活かして誕生したe-POWERはモーターのみで100%駆動する日産独自のパワートレインでありEVと同様の走る楽しさを提供する。『X-in-1』の主要部品であるモーターおよび発電機インバーター減速機および増速機はそれぞれ同一の生産ラインでEV用とe-POWER用が混流生産可能な設計としている。現在開発を進めている『X-in-1』には、こうした日産の電動化技術の開発や生産のノウハウが最大限活かされている。今後も電動車両だからこそ実現できる新たな価値を創造し、より多くのお客さまにEVやe-POWERを通じて『e-4ORCE』や『e-Pedal』に代表される100%モーター駆動ならではの魅力をお届けしていく」と語った。

 日産は長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」において、2030年度までに19車種のEVを含む27車種の電動車を導入することを目指している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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