京写、香港子会社の取引先に「取立不能又は取立遅延のおそれ」発生し特損を計上、ベトナムなどに移管済みで来期への影響ない見通し

ビジネス 万年筆 メモ

■供給責任あり早めに判断、純利益は赤字に見直すが売上高は増額修正

 京写<6837>(東証スタンダード)は3月17日の夕方、子会社・京写香港の取引先の債権に取立不能又は取立遅延のおそれが生じたため、特別損失8.37億円を計上すると発表した。あわせて今期・2023年3月期の連結業績予想を修正し、売上高は従来予想を4.3%上回る見込みとしたが、当期純利益はこれまでの3.6億円の黒字から5.4億円の赤字に見直した。期末配当もこれまでの1株6円から3円の見込みに修正した。

■ベトナム工場の生産量が増加、生産ラインを増設対応中

 ただ、この取引先とのビジネスは、「すでに京写ベトナム工場での生産と一部日本国内での生産に移管し終えている」(会社側)とし、来期の業績への影響はなく、特別損失の計上も一過性にとどまるとした。

 発表によると、この取引先は、主に自動車向けの両面・多層プリント配線板を製造し、京写グループに納入していたが、中国での新型コロナ長期化、再拡大の影響で、断続的な操業中断や納期遅延が生じるようになっていた。京写香港では、支払猶予や前払等の資金支援を実施し、生産体制の整備や計画的な納期の遵守を求めてきたが、改善に至らなかった。

 こうした状況の中で、京写グループには供給責任があり、サプライチェーン体制を維持するために早めの判断を下したという。生産の多くを移管したベトナム工場は2021年から操業が本格化した最新工場で、新型コロナの影響で立ち上げが遅れた時期もあったが、このところは旺盛な自動車向け需要に加えて、本件の生産移管が加わり生産量が増加しているという。目下、生産ラインの増設対応を進めているとした。

 今3月期の連結業績予想については、売上高を従来予想比4.3%増額修正し240億円(前期比12.5%増)の見込みに見直した。営業・経常利益は下方修正したが、前期比では増益になり、営業利益は同11.4%下回る6.2億円(同29.7%増)の見込みとした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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