シナネンHD、独自ネットワーク基盤を構築しデータ活用を図る実証実験を開始

■地域に根差した新たな付加価値の提供を目指す

 シナネンホールディングス(シナネンHD)<8132>(東証プライム)は、BtoC事業のLPガス販売で培った顧客基盤を生かして、独自のITネットワーク基盤を構築し、LPガスボンベの利用量をはじめ、各事業エリア内の顧客および地域に関するデータの活用を目的とした実証実験を、2023年10月より開始する。

 従来、LPガスの検針は、販売事業会社が顧客を訪問し、目視でメータを確認して行っていたが、昨今はLPWAを活用した自動化が広がってきている。LPWA(Low Power Wide Area)とは「低価格小容量」の通信サービスの事で、この技術を使ってガスメーターの検針等を遠隔で行うシステムとして活用している。一方で、LPWAの導入にあたっては設置、データ転送にかかる通信等に費用・工数を要するといった課題もある。

 今回の実証実験では、既存のLPWAに加えて、新たに特定小電力無線ネットワーク技術を用い、シナネンホールディングスグループが独自に地域でのITネットワーク基盤を構築することで、顧客および地域の様々なデータを収集・活用し、地域に根差した新たな付加価値の提供を目指すとしている。

■実証実験の概要
 同実証実験は、シナネンホールディングスの子会社で、西日本エリアでLPガス・電気・灯油等のエネルギー販売事業を展開するミライフ西日本(大阪府大阪市)の金沢支店の一部エリアを対象に実施する。

 対象エリアにおいて了承を得たLPガス顧客に対し、今回独自に開発した機器を設置し、ガスの利用量を収集するとともに、IoT機器を活用し、顧客や対象エリアにおける様々なデータを収集する。IoT機器は相互での通信が可能な「自律分散型」のシステム構成を取るため、災害時等に公衆通信網やサーバがダウンした場合にも通信を継続することが可能となる。

■独自ネットワークの構築によって実現を目指すこと
 独自の通信網と様々なIoT機器を組み合わせることにより、人の位置情報、地震発生時の震度や海面の水位といった災害関連情報、CO2排出量や温度、湿度といった環境関連情報等、様々なデータが収集できると想定している。こうしたデータを活用し、一例として、高齢者にIoT機器を携帯してもらうことで「見守りサービス」を提供できたり、小さな子供にIoT機器を携帯してもらえれば置き去り防止に活用ができる。

 また、対象エリアを担当するミライフ西日本の従業員のスマートフォンと連携し、地域エリア内の営業車の所在を共有することで、顧客からの問い合わせ等にもスピーディーに対応することができる。

■今後の展望
 実証実験は2024年9月までを予定。どのようなデータが収集できるか、またそのデータをどのように活用できるかを検証し、その結果を踏まえて、同実証の対象エリア、および他事業エリアでも地域に根差したサービスの展開も検討していく予定である。

 シナネンホールディングスグループは、企業風土や文化、ビジネスモデルを変革し、グループ経営基盤の強化や業務効率化を図る上での重要施策として、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、企業価値の向上を図っている。2021年12月1日付で、経済産業省が定めるDX認定制度に基づき「DX認定事業者」として認定も取得している。

 そして、同社グループは今後も、DXを推進することで、顧客に一層価値あるサービスの提供を目指すとともに、脱炭素社会の実現ならびに持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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