朝日ラバーは24年3月期2Q累計減収減益、通期は経常・当期純利益を上方修正

(決算速報)
朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は、11月9日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。減収減益だった。主力の自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れた。通期予想については、売上高と営業利益を下方修正したが、営業外収益の増加により経常利益と当期純利益を上方修正した。自動車向けの受注は回復傾向であり、積極的な事業展開によって下期以降の収益回復を期待したい。株価は上値の重い形だが、一方では徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期2Q累計減収減益、通期は経常・当期純利益を上方修正

24年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比6.1%減の33億59百万円、営業利益が91.4%減の11百万円、経常利益が75.4%減の35百万円、親会社株主帰属四半期純利益が51.0%減の55百万円だった。

減収減益だった。工業用ゴム事業で主力の自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れ、医療・衛生用ゴム事業における試作コスト増加なども影響した。国内・海外別の売上高は国内が9.6%減の25億04百万円、海外合計が5.6%増の8億54百万円(アジアが4.4%増の4億03百万円、北米が20.0%増の58百万円、欧州が52.6%増の7百万円)だった。

工業用ゴム事業は売上高が9.1%減の26億22百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が62.3%減の86百万円だった。卓球ラケット用ラバーは増収だったが、自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れた。

医療・衛生用ゴム事業は売上高が6.0%増の7億37百万円、セグメント利益が23.4%減の54百万円だった。売上面はプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の好調で増収だが、利益面は販売構成差や試作コスト増加などが影響して減益だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億65百万円、営業利益が2百万円の損失、経常利益が11百万円、第2四半期は売上高が16億94百万円、営業利益が13百万円、経常利益が24百万円だった。

通期の連結業績予想については、11月9日付で売上高と営業利益を下方修正、営業外収益の増加により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正(親会社株主帰属当期純利益は8月8日付に続いて2回目の上方修正)し、売上高が23年3月期比1.3%減の71億09百万円、営業利益が16.3%減の1億55百万円、経常利益が12.7%減の1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が26.1%減の1億50百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は60.7%となる。

前回予想に対して売上高を98百万円、営業利益を37百万円それぞれ下方修正、経常利益を16百万円、親会社株主帰属当期純利益を14百万円それぞれ上方修正した。自動車向けの受注は回復傾向であり、積極的な事業展開によって下期以降の収益回復を期待したい。

■株価は下値切り上げ

株価は上値の重い形だが、一方では徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。11月9日の終値は549円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円94銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR株式投資情報編集部)

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