【注目銘柄】中部鋼鈑は続落も減益転換率縮小の上方修正と減配幅を縮める増配を手掛かりに下げ渋る

注目銘柄

 中部鋼鈑<5461>(東証プライム)は、前日16日に5円安の1955円と4営業日続落して引けた。ただ11月8日につけた直近安値1925円を下ヒゲを伸ばして確かめ下げ渋る動きもみせた。今年11月1日に発表した今2024年3月期業績上方修正と増配で、今期業績の減益率が縮小し、配当の前期比減配幅が縮小することを見直し売られ過ぎ修正期待の打診買いが交錯した。テクニカル的にも足元の株価水準が、エリオット波動理論の修正3波の最終局面にあることも意識されている。

■販売価格、鉄スクラップ価格は想定通りに推移し固定資産除却損は想定下回る

 同社の今3月期業績は、売り上げを期初予想より30億円引き下げたが、営業利益、経常利益、純利益を各2億円引き上げ、売り上げ676億円(前期比11.4%減)、営業利益99億円(同19.3%減)、経常利益98億円(同20.5%減)、純利益67億円(同21.9%減)と見込み、前期の過去最高業績からの減益転換率をやや縮小させる。主力の厚板は、産業機械向けが設備投資意欲の減退、建設向け需要も人手不足による工期の遅れで伸び悩み販売数量が当初想定を下回ったが、販売価格は当初想定価格を維持し、電力などのエネルギー価格は上昇したものの鉄スクラップ価格が安定推移し、固定資産除却損が当初想定を下回ったことが要因となった。

 配当は、期初に前期の東証プライム市場上場記念配当込みの年間104円から83円への減配を予想していた。しかし同社の配当方針が、年間60円か配当性向35%のうち大きい方を優先するとしていることから増配し年間86円に引き上げる。

■修正3波の最終からPER8倍、PBR0.7倍、配当利回り4%の割安修正へ

 株価は、昨年12月28日に東証プライム市場に新規上場(IPO)され名証プレミア市場との同時上場となり、プライム市場での初値は1590円でつけ1414円と調整したあと前期業績の上方修正や増配、従業員への特別賞与支給などを材料にIPO後高値2820円まで買い進まれた。同高値後は、今期業績の減益転換・減配予想が響いて25日移動平均線に上値を抑えられる下値調整となり、今期業績の上方修正・増配にも限定的な反応にとどまって1900円台下位での小動きにとどまった。この安値水準は、IPO後高値2820円から1716円安値、1970円安値、1925円安値と調整してきたエリオット波動理論でいわれている修正3波の最終局面とも観測されるもので下値打診買いが交錯した。PERは8.0倍、PBRは0.73倍、配当利回りは4.39%と割安であり、11月1日につけた2142円を上抜き、9月20日につけた戻り高値2325円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る