マルマエは24年9月期2Q累計赤字、通期予想を下方修正

(決算速報)
 マルマエ<6264>(東証プライム)は3月28日の取引時間終了後に24年8月期第2四半期累計業績(非連結)を発表した。半導体分野における市場停滞の影響で大幅減収・赤字だった。そして通期予想を下方修正した。期初計画に対して中国向け太陽電池製造装置部品の受注が遅れていることに加え、半導体分野で既存顧客における在庫調整が長引いていることも考慮した。ただし半導体分野が底打ち感を強めており、積極的な事業展開で25年8月期の収益回復基調を期待したい。株価は3月上旬に急伸して昨年来高値を更新する場面があったが、その後は買いが続かずモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、半導体市場停滞の影響は織り込み済みと考えられるだけに下値限定的だろう。

■24年9月期2Q累計赤字、通期予想を下方修正

 24年8月期第2四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比51.9%減の20億40百万円、営業利益が78百万円の損失(前年同期は9億27百万円の利益)、経常利益が1億34百万円の損失(同9億13百万円の利益)、四半期純利益が1億01百万円の損失(同6億44百万円の利益)だった。半導体分野における市場停滞の影響で大幅減収・赤字だった。

 全社の受注高は30.4%減の19億93百万円(内訳は半導体分野が31.4%減の14億88百万円、FPD分野が82.9%増の4億70百万円、その他分野が92.1%減の34百万円)で、分野別売上高は半導体分野が53.2%減の14億78百万円、FPD分野が13.5%増の4億76百万円、その他分野が96.5%減の19百万円だった。

 半導体分野は既存顧客における在庫調整が長引いている。ただし新規顧客向けは順調に推移し、全体として底打ち感を強めている。FPD分野はG6・G8、OLED向けの売上が回復基調となった。その他分野は太陽電池製造装置部品の受注遅延が影響した。利益面は売上減少と稼働率低下で赤字での着地となった。受注損失引当金は前期末に比べて66百万円減少した。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が11億17百万円で営業利益が22百万円の損失、第2四半期は売上高が9億23百万円で営業利益が56百万円の損失だった。

 通期業績予想は3月28日付で下方修正し、売上高が23年8月期比31.9%減の46億80百万円、営業利益が91.0%減の77百万円、経常利益が39百万円の損失(23年8月期は7億89百万円の利益)、当期純利益が34百万円の損失(同7億06百万円の利益)としている。配当予想は据え置いて23年8月期比6円減配の30円(第2四半期末10円、期末20円)としている。

 期初計画(売上高70億円、営業利益6億80百万円、経常利益5億62百万円、当期純利益4億円)に対して、売上高を23億20百万円、営業利益を6億03百万円、経常利益を6億01百万円、当期純利益を4億34百万円、それぞれ下方修正した。

 FPD分野は概ね計画水準で推移しているが、期初計画で約20億円を予定していた中国向け太陽電池製造装置部品の受注が遅れていることに加え、半導体分野で既存顧客における在庫調整が長引いていることも考慮した。修正後の分野別売上高の計画は半導体分野が25.0%減の34億01百万円、FPD分野が20.9%増の9億36百万円、その他分野が85.4%減の2億円としている。

 なお、利益面は減収影響をコスト抑制でカバーできないが、一方では、売上内容の変化により粗利率が改善傾向となっているほか、稼働率の改善により受注損失引当金と棚卸評価損が想定以上に改善される見込みとしている。24年8月期は大幅減益予想となったが、半導体分野が底打ち感を強めており、積極的な事業展開で25年8月期の収益回復基調を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は3月上旬に急伸して昨年来高値を更新する場面があったが、その後は買いが続かずモミ合う形だ。目先的には24年8月期業績予想の下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、半導体市場停滞の影響は織り込み済みと考えられるだけに下値限定的だろう。3月28日の終値は2100円、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.4%、前期実績PBR(前期実績のBPS591円25銭で算出)は約3.6倍、そして時価総額は約274億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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