【銘柄紹介】デクセリアルズはソニーのDNA受け継ぐ高技術・高収益、7月上場後の値動き良好
- 2015/10/8 09:27
- 銘柄紹介

■今期年55円配当で中期買い場
デクセリアルズ<4980>(東1・100株単位)は今年7月に新規上場、1550円でスタートした。ソニーのDNAを持つ高技術・高収益が特徴で今3月期には年55円配当を実施する。押し目狙いで仕込むのがよさそうだ。
<歩み・規模・銘柄特性>
1962年(昭和37年)にトランジスタラジオの需要拡大を見越し回路用銅箔製品及び工業用接着剤製品の製造・販売を目的にソニーの全額出資によりソニーケミカルとして設立。1987年7月に東証2部に上場、2000年1月にソニーの100%子会社となり上場を廃止した。2012年10月に現社名に変更、今年7月に上場した。
『Value Matters=今までなかったものを。世界の価値につながるものを。』をビジョンに掲げ、卓越した独自の技術を組み合わせ顧客の価値を創造することを目指している。エレクトロニクス分野をはじめ、環境・新エネルギー分野などに高度な材料開発技術、プロセス技術にささえられた、新しい機能性材料を提供することで社会に貢献することを目的としている。社名は英語のデクスター(賢い・機敏)と、マテリアル(材料)からつけたもの。
同社の一ノ瀬隆社長はメッセージで、「当社の経営理念である、『Integrity誠心誠意・真摯であれ』を心がけている。その真摯に取り組む姿勢が技術開発や製品品質の向上につながり顧客に喜んでもらえる付加価値の高い製品を生む当社の基礎(いしづえ)となっている」と語っている。
年商約700億円、従業員数約2400名。ROEは20%台、営業利益率約14%台と高収益の内容、海外比率は約7割。発行済株式数は約6300万株の中型銘柄でマーケットでは高技術関連、高ROE関連、輸出関連、FFD関連、スマホ関連、タッチパネル関連、電子部品関連としての人気が指摘されている。連動して動きやすい銘柄として日東電工、カナカなどが候補銘柄として挙げられている。
<事業内容・強さ>
主要営業品目は異方性導電膜(ACF)、光学弾性樹脂(SVR)、太陽電池用タブ線接合材料、工業用接着剤、工業用接着テープ、熱伝導シート、光ディスク用紫外線硬化型樹脂、スパッタリングターゲット、光学関連フィルム、タッチパネルモジュール、表面実装型ヒューズ、無機波長板、無機偏光板なsど。
セグメントでは、(1)光学材料部品事業が全体の約4割、(2)電子材料部品事業が約6割という構成比率となっている。
ソニーとの資本関係はないが、ソニーのDNAを持つ高技術という点が一番の特徴であり強さといえるだろう。東京本社(品川区)と大阪オフイス(大阪市)のほか鹿沼事業所(第1・第2・第3工場=栃木県)、多賀城事業所宮城県)、なかだ事業所(宮城県)、根上事業所(石川県)、海外にアメリカ、シンガポール、中国、ホンコン、台湾、韓国などに生産・販売拠点を展開している。
<業績推移>
決算期は3月。7月上場後、8月6日に発表した2016年3月期・第1四半期が初決算。売上147億8200万円、営業利益18億2400万円、純益12億4700万円という成績。営業利益率は12.3%。
「光学材料部品事業」は、売上は前年同期比0.5%の微減だったが、営業利益では22.5%増えた。光学性樹脂の新製品ハイブリットFSVRの拡販効果が寄与した。「電子材料部品事業」は売上3.4%増収、営業利益でも4.2%増益だった。前年同期にあった蛍光体シートのスポット売上が減少したが、異方性導電膜が伸長した。
2016年3月期は、売上は前期比15.4%増の756億円、営業利益23.8%増の119億円、純益は移転補償の特別利益がなくなるため34.7%減の70億円、1株利益111.1円の見通し。営業利益率は15.7%、配当は年55円(中間27.5円)の予定。なお、第1四半期での営業利益進捗率は15.3%。
<株価推移と展望>
7月29日の上場初値は1550円でその直後にチャイナショックに巻き込まれ8月25日には1450円まで下げた。しかし、すぐに切り返して9月1日に1790円と初値から約15.4%高、8月安値から23.4%高となった。
再び、全般相場の下げから調整となっているが、1500円前後は日足チャートが底打ちの展開となっている。7日(水)の終値1510円は利回り3.64%、PERでも13.5倍と割安水準といえる。
上場後の高値と安値の「中間値」は1620円で、足元ではやや中間値を下回っている。中間値を株価が大きく下回っていれば、買方の上値に対する期待が萎むが、中間値の近辺なら上値に対する期待は強いといえる。地合いが好転すれば一気に上値追いとなる可能性を含んでいる。1500円前後での押し目買いで向かうのがよいだろう。
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