ダイセル、革新的な親水性結晶スポンジの開発に成功、創薬から環境分析まで幅広い応用に期待

■親水性細孔を持つ結晶スポンジ、安定性向上で新たな可能性

 ダイセル<4202>(東証プライム)の共同研究グループと東京大学大学院工学系研究科は11月6日、次世代の結晶スポンジ開発に成功したと発表。この新しい結晶スポンジは、細孔内が親水的な環境を持ち、物理的・化学的に安定な特性を有している。従来の結晶スポンジと比較して、取り込める有機化合物の範囲が大幅に拡大している。

 新開発の結晶スポンジは、有機配位子にアミド基を導入することで高い安定性を実現し、極性の高い分子への適用を可能にした。また、真空下加熱しても構造を安定に保持できる特徴を活かし、「GC分取×ダイレクト結晶スポンジ法」という新規構造解析手法の開発にも成功した。

 同技術は、医薬品開発から半導体、環境分野まで幅広い応用が期待できる。特に、微量で揮発性の高い臭気成分や環境物質の構造解析が可能となり、循環型社会構築への貢献も期待される。同研究成果は、2024年11月の第125回有機合成シンポジウムで発表予定である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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