アルコニックスグループ、北九州市に大規模な「再生資源ヤード」を開設し、アルミ・銅の国内リサイクルを推進

■日本国内での金属資源の確保と環境負荷低減を両立!

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は1月17日、福岡県北九州市の北九州エコタウン近くに大規模な「再生資源ヤード」を開設したと発表。同ヤードは、循環型社会・サーキュラーエコノミーの実現に向けた重要な一歩であり、環境負荷の低減に加え、国内非鉄金属資源の有効活用に貢献することを目的としている。

■深刻化する非鉄金属を巡る社会課題

 近年、日本では非鉄金属資源を国内で循環する仕組みの構築が官民一体となって進められている。その背景にはいくつかの深刻な社会課題がある。

 まず、国内で使用されるアルミや銅などの非鉄金属原料の多くが輸入に依存していることや、新地金の精錬過程で大量のエネルギーを使うために二酸化炭素排出量が多いことが挙げられる。

 さらに、非鉄金属スクラップは近年恒常的な輸出超過(※)で、貴重な金属資源が国外に流出している。その上、非鉄金属スクラップの適正管理や分別が不十分な場合、リサイクル効率が低下し、資源の有効活用が妨げられる。

(※)参照:(独)エネルギー・金属鉱物資源機構「鉱物資源マテリアルフロー2022 1.銅(Cu)」、同「鉱物資源マテリアルフロー2021 6.アルミニウム(Al)」

■大規模な敷地面積で、非鉄金属の国内循環を加速

 こうした状況を受け、同社は非鉄金属スクラップ事業の経験とノウハウを活かし、これらの社会課題に正面から取り組むべく同ヤードを開設した。同ヤードは、2025年1月時点で9,748平方メートルの広大な敷地を保有し、非鉄金属スクラップの集荷量を2023年度比で約2倍に引き上げることを目標としている。

■40年以上の経験とノウハウを活かした新たな挑戦

 非鉄金属スクラップには自動車部品、アルミサッシ、アルミ缶など多様な品目があり、選別・保管するためには広い土地、そして高度な管理体制とノウハウが必要である。

 同社は1981年の創業から40年以上にわたり、非鉄金属スクラップの取扱いに従事してきた。また、本ヤードの運営を担う同社子会社のアルミ銅センターは、長年の操業で培った現場での集荷ノウハウを活かして、業界内で確固たる地位を築いている。

 こうした経験とノウハウを最大限に活かし、同社は資源循環の現場で直面する課題に応え、国内での金属資源のリサイクル率の改善に貢献する。

■アルコニックスの非鉄金属リサイクル事業の展望

 同社は、今回の「再生資源ヤード」開設を皮切りに、日本全域を視野に入れた非鉄金属リサイクル事業の水平展開を目指している。また、ヤードの更なる拡張や追加の設備投資などを通じて、廃太陽光パネルに含まれるアルミなど、収集品目の多様化も検討している。

 今後とも、同社は持続可能な社会の実現に向けて、東証プライム上場企業としての責任を果たしつつ、引き続き努力を重ねていくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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