
■不正アクセス被害は個別事情を精査し補償、被害抑止策も強化
2025年1月以降、実在の証券会社を装ったフィッシングサイトを通じて顧客のログイン情報が盗まれ、不正アクセスや第三者による不正取引がインターネット取引サービス上で確認されている。これを受けて、日本証券業協会と大手証券会社・ネット証券計10社(SMBC日興証券、SBI証券、大和証券、野村證券、松井証券、マネックス証券、みずほ証券、三菱UFJのeスマート証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、楽天証券)は、被害の拡大を防ぐべく捜査機関と連携しながら迅速な対応を進めている。証券市場への信頼確保の観点からも、対応の重要性が増している。
協会と10社は、フィッシング詐欺などによる証券口座の不正利用被害について、各社の約款等にかかわらず、一定の補償を行う方針を申し合わせた。補償の可否や内容は、個別の被害状況を詳細に調査した上で判断され、顧客のIDやパスワードの管理状況、不正防止策への対応なども考慮される見込みである。手続きや詳細な案内については、今後各社が順次発表していく予定だ。
利用者に対しては、多要素認証(ワンタイムパスワードなど)を設定し、証券会社の公式ウェブサイトをブックマークしてアクセスするよう強く呼びかけられている。メールやSMS経由のリンクは使用せず、不審な取引報告書が届いた場合は速やかに取引先証券会社に連絡することが推奨されている。被害抑止のための対策と顧客の安全確保が急務となっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)