
■「資金を手元に置いておくには解決すべき問題が多すぎる」ビル・ゲイツが決意表明
ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は設立25周年を機に、今後20年間で2000億ドル(約29兆円)を拠出する新たな計画を発表した。この前倒しされた計画では財団の運営終了を2045年と定め、米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツの個人資産のほぼすべてを社会に還元する意向を示している。この史上最大規模のフィランソロピーによる拠出は、母子の予防可能な死の撲滅、致命的感染症のない次世代の育成、貧困からの脱却という3つの主要目標達成を目指すものだ。
ゲイツ財団は2000年の設立以来、1000億ドル以上を寄付し、ワクチンアライアンスやグローバルファンドを通じて8200万人の命を救う活動に貢献してきた。また100を超えるイノベーションの開発にも携わり、グローバルヘルスの進展に寄与した。今回の発表は、世界各国が人道・開発支援の資金削減を進める中で行われたものであり、特にAIなどの新技術を活用した進歩の可能性に期待を寄せている。
新たなタイムラインにより、財団はフィランソロピー・セクターの強化を図るとともに、米国の学生支援、デジタル公共インフラの強化、AIの医療・教育・農業分野への活用、ジェンダー平等の推進などにも引き続き注力する。今年初めには過去最大となる予算を発表しており、来年の拠出総額は90億ドルに達する見込みだ。財団CEOのマーク・スズマンは「過去25年間の成果は依然として大きな進歩が可能であることを示している」と述べ、パートナーとの連携による更なる変革に意欲を示した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)