スリー・ディー・マトリックス、開発パートナーが中皮腫治療用マイクロRNAが米FDA希少疾病用医薬品指定を取得

■A6Kペプチド技術を活用した核酸医薬品の開発が加速

 スリー・ディー・マトリックス<7777>(東証グロース)は5月12日、同社の界面活性剤ペプチド「A6K」を使用した天然型マイクロRNA補充型核酸医薬製剤「MIRX002」について、開発パートナーのPURMX Therapeuticsが米国FDAから希少疾病用医薬品指定(オーファンドラッグ指定)を取得したと発表した。両社はA6Kの特許譲渡・ライセンス契約および資本提携を締結しており、今回の指定により中皮腫治療薬の開発が加速する見込みだ。

 MIRX002の主成分であるマイクロRNA「miR-3140-3p」は、悪性胸膜中皮腫を含む中皮腫の治療を対象としている。中皮腫は患者数が少なく有効な治療法が限られる希少疾患であり、今回のFDA指定により優先審査などの迅速審査プロセスへのアクセスが可能となる。スリー・ディー・マトリックスは、この技術を活用し、悪性胸膜中皮腫をはじめとする様々ながん治療に対して、界面活性剤ペプチドA6Kを使用した核酸医薬の研究開発を推進していく方針だ。

 A6Kは6~10残基程度のアミノ酸から構成されるペプチドで、水溶液中で自己組織化されてナノチューブを形成し、マイクロRNAなどと複合体を形成することで核酸の安定化に寄与する。また、天然型マイクロRNAは生体内に存在する20~25塩基からなる微小なRNAで、遺伝子発現を調節する分子である。現在のところ、マイクロRNAを補充療法として用いた核酸医薬で承認されているものはなく、同開発は新たな治療アプローチとして期待されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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