富士通、プライバシーに配慮した見守りにより介護従事者などの負荷軽減、「ミリ波レーダ見守りシステム」の提供を開始

■24時間体制で転倒や身体の変化を検知し利用者の安全を見守る

 富士通<6702>(東証プライム)は6月16日、介護施設やサービス付き高齢者住宅の個室、バリアフリートイレなどに対応した「Fujitsuミリ波レーダ見守りシステム」の国内提供を開始すると発表した。カメラを使わず、プライバシーを保ちながら人の動きや呼吸、筋肉のわずかな振動までを検知できる点が特長で、24時間体制での安全な見守りを実現する。カメラ設置が難しい空間でも利用者の異変を察知でき、介護従事者の負担軽減につなげる狙いがある。

 同システムは、ミリ波レーダで取得した点群データを富士通独自のAIで解析し、転倒や微細な呼吸異常などを高精度に検出できる。これまでの動作センサーでは困難だった状況の可視化を可能にし、胸部のわずかな動きも感知できるため、転倒後の早期対応にも寄与する。夜間や早朝など職員の手が届きにくい時間帯でも常時稼働できるほか、映像を記録しないためプライバシーへの配慮も徹底されている。

 アラート発報機能も備え、転倒後の無動状態や特定エリアへの長時間滞在、睡眠時の異常など、事前に設定した条件に基づいて通知を行う。通知先も柔軟に設定できるため、迅速な対応が可能となる。富士通はこれまで、イオンモールや和歌山県立医科大学とともに実証実験を重ね、同システムの有効性を確認してきた。今後は介護分野を中心に、より安心・安全な見守り環境の構築を目指す方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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