日本製鉄、5000億円規模の劣後ローン契約を締結、U.S.スチール買収に向け資金調達を強化

ビジネス 万年筆 メモ

■USスチール買収関連資金を劣後ローンで調達し財務目標達成目指す

 日本製鉄<5401>(東証プライム)は7月3日、同社米国子会社とU.S.スチールとの合併に伴う株式取得対価の支払いに使用したブリッジローンの弁済資金として、総借入限度額5,000億円のコミット型劣後特約付タームローン契約を締結したと発表した。また、2020年7月に実行した既存ローン3,000億円を7月22日に期限前弁済し、新たに同額のリファイナンスローンを実行する方針も明らかにした。これらの施策は財務戦略の一環として、海外事業の拡充と財務健全性の両立を目的としている。

 同社は中長期経営計画に基づき、世界粗鋼生産量1億トン体制の構築を目指し、海外事業の拡大を推進している。6月18日にはU.S.スチールとのパートナーシップを開始し、世界トップクラスの鉄鋼メーカーとしての地位確立を目指す。今回の資金調達により、D/Eレシオを2025年度中に0.7台に回復させるとともに、財務目標である0.7以下の水準を達成する方針を掲げている。

 両ローンは、資本と負債の中間的性質を持ち、利息の繰延や超長期の償還期限、倒産時の劣後性など、資本に類似した特性を有する。これにより、主要格付機関4社から調達額の50%に対する資本性認定を見込んでいる。いずれのローンも株式の希薄化を伴わず、同社の資本効率向上と柔軟な資金調達体制の構築に寄与するものとなっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■山口県周南市で始動、燃料電池の定置型電源活用で脱炭素電力供給を検証  ホンダ<7267>(東証プ…
  2. ■LINEリサーチ発表、上半期トレンド総括と最新6月期の動向  LINEヤフー<4689>(東証プ…
  3. ■休廃業・解散は減少も淘汰続く、新興市場の課題鮮明に  東京商工リサーチは7月31日、国内ドローン…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  2. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  3. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  4. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  5. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  6. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る