日立製作所、構造化電波の原理検証に成功、全天候型インフラ監視技術を開発

■気候変動時代に対応する持続可能な観測技術

 日立製作所<6501>(東証プライム)は8月5日、人工衛星を活用した「構造化電波」技術の原理検証に成功したと発表した。同技術は、物体の形状や動き、材質といった多変数データを同時に取得できる新しい観測方式であり、全天候・24時間対応の地球観測を可能にする。今回の実験では、音波を用いて波面構造を持つ電波の生成・検出・解析が可能であることを確認した。従来の電波観測では困難だった情報の可視化が実現し、直感的な判断や迅速な意思決定が期待される。

 背景には、インフラの老朽化や自然災害の激甚化といった社会課題がある。既存の光学観測は天候や昼夜に制約され、電波観測は精度や視認性に課題があった。これに対し日立は、渦状の波面(OAM)を持つ構造化電波を制御・解析することで、多変数かつ高精度な情報取得を実現した。物体識別や速度推定、散乱特性の可視化など3つの技術により、データ解釈の精度と効率が大きく向上する。

 今後は、パートナー企業や大学・研究機関と連携し、災害監視や環境モニタリング、インフラ維持管理など多分野での社会実装を進める方針である。高精度な観測技術の普及により、持続可能な社会インフラの構築、災害リスクの低減、環境負荷の最小化に貢献する。なお、本技術は米国で開催される「スモールサテライト・カンファレンス」において発表予定である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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