【編集長の視点】ホットリンクは主力事業が好調に推移し通期黒字転換へ、初配当も実施へ

■2Q業績赤字着地も下期回復予想

 ホットリンク<3680>(東証グロース)は、前日12日に5円高の304円と変わらずを含め4営業日ぶりに反発して引け、25日移動平均線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強めた。今年8月8日に発表した今2025年12月期第2四半期(2025年1月~6月期、2Q)累計業績が、赤字転落して着地したが、主力事業の新規クライアント受注が増加するなど下期に回復して12月期通期業績の黒字転換予想を据え置いており、初配当として中間配当3円を実施し、年間配当6円を予定していることを手掛かりに低位有配株買いが再燃した。初配当実施を支える自己資本比率が75.3%と好財務内容となっており、PBRが0.8倍と1倍を割っていることもサポート材料視されている。

■主力事業の売上総利益率は改善し戦略的パートナーシップも寄与

 同社の今12月期2Q累計業績は、売り上げ17億2800万円(前年同期比24.6%減)、営業利益1億1800万円の赤字(前年同期は3900万円の黒字)、経常利益2億4600万円の赤字(同3億2300万円の黒字)、純利益2億2900万円の赤字(同2億1800万円の黒字)と減収・赤字転落した。ただ主力のソーシャルメディアマーケティング支援事業の売り上げは、昨年8月にサービスを終了した「クチコミ@係長」を除くと10億6800万円(同15.7%増)と実質増収となる。新規顧客の開拓を進め新規クライアント受注高が1億2400万円(同20.3%増)となったことや大型案件を積み上げたことなどが寄与した。同事業の売上総利益率も、粗利益の高い商材への集中と業務効率化を進め、前年同期の29.9%から33.0%にアップし改善を示した。金融費用の計上やDaaS事業の売り上げ減少などが赤字業績の要因になった。

 今12月期通期業績は、下期偏重型の業績予想に変更はないとして売り上げ41億1600万円(前期比3.5%減)、営業利益4100万円(前期は7億500万円の赤字)、経常利益6700万円(同4億8700万円の赤字)、純利益2700万円(同5億6400万円の赤字)と黒字転換を見込んでいる。DaaS事業では、今年5月に世界有数のデータクラウド企業のSnowflake社と締結した戦略的パートナーシップなどの寄与も期待される。なお初配当は、積極的な成長投資を続けても内部留保の水準を踏まえて健全な財務基盤を継続しながら株主還元は可能としてDOE(株主資本配当率)2%をメドに年間6円を予定し、中間・期末配当とも3円としている。

■25日線出没の三角保ち合いを上放れPBR0.8倍の修正で年初来高値奪回

 株価は、前期業績の下方修正で233円と調整し、今期業績の黒字転換・初配当予想で286円とリバウンドしたものの、トランプ関税による世界同時株安の波及で上場来安値193円へ再調整した。同安値からは、売られ過ぎ修正で300円台を回復し、Snowflake社との戦略的パートナーシップ締結ではストップ高を交えて年初来高値430円まで急伸し、以来、2カ月強、25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続けてきた。業績水準はまだ低位でPER評価は割高なものの、PBRは0.81倍、年間配当利回りも1.97%と割り負けており、三角保ち合いを上放れ年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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