【注目銘柄】北興化学工業は3Q高利益進捗率で通期業績の上ぶれ期待を高め記念増配がオン
- 2025/10/15 08:20
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■水稲用農薬の伸長と投資有価証券売却益が貢献
北興化学工業<4992>(東証スタンダード)は、前日14日に18円高の1694円と反発して引け、今年9月29日につけた上場来高値1755円を視野に入れた。3連休前の10月10日に発表した今2025年11月期第3四半期(2024年12月~2025年8月期、3Q)業績が、続伸して期初予想を据え置いた今11月通期業績に対して高利益進捗率を示し、期末配当として記念配当を上乗せして増配を予定していることを手掛かりに割安株買いが再燃した。コメ価格が、高水準で推移し需給安定化に向け米増産政策が推進されていることも、関連株人気を高めている。
■米価上昇、カメムシ発生で水稲用農薬が伸び部門営業利益は30%増
同社の今11月期3Q業績は、売り上げ415億7800万円(前年同期比5.9%増)、営業利益48億4600万円(同8.5%増)、経常利益55億8000万円(同6.3%増)、純利益41億2700万円(同11.3%増)となった。農薬事業では、米価上昇による農家の増産意欲の高まりやカメムシ発生情報による防除意識の強まりを背景に水稲剤、園芸剤とも増加し売り上げが270億4600万円(同8・9%増)、営業利益が16億4400万円(同30.5%増)と好調に推移し、ファインケミカル事業では、樹脂分野は減少したが、医農薬分野が回復し電子材料分野の受注が増加し売り上げ130億9500万円(同0・2%増)、営業利益31億5100万円(同0.1%減)とほぼ前年同期並みを確保したことが寄与した。純利益は、投資有価証券売却益3億4500万円が上乗せとなって増益率を伸ばした。
今11月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ475億円(前期比2.8%増)、営業利益47億5000万円(同4.6%増)、経常利益57億円(同0.2%増)、純利益38億5000万円(同3.9%減)と見込んでいる。ただ3Q業績は、この通期業績に対して売り上げが87%、経常利益が92%の進捗率を示して目安の75%を上回り、営業利益と純利益はすでに100%以上の進捗率を示しており業績上ぶれ期待につながっている。前2024年11月期業績も、3Q業績が高進捗率となり、通期業績が上ぶれ着地しており再現期待を高めている。なお今期配当は、創立75周年の記念配当6円を上乗せして年間46円(前期実績32円)と連続増配幅の拡大を予定している。
■25日線水準の三角保ち合いを上放れPER11倍、PBR0.9倍の修正に再発進
株価は、トランプ関税による世界同時株安にツレ安してつけた年初来安値1000円から今期第1四半期・第2四半期業績の堅調推移、自己株式取得、さらにコメ価格の上昇などが続いて25日移動平均線を下値サポートラインに上場来高値1755円まで75%高した。足元では、25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続けてきたが、PERは11.7倍、PBRは0.97倍と割安である。三角保ち合いを上放れ最高値更新から一段高を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)