王子ホールディングス、リモートセンシングで林業DXを推進、社有林の森林情報を高精度解析

■岐阜県の社有林で実証成功、大径木や堅果類の分布も一括可視化

 王子ホールディングス<3861>(東証プライム)は10月14日、ヤマハ発動機、信州大学発ベンチャーの精密林業計測と共同で、王子グループの国内社有林におけるリモートセンシングを活用した森林情報取得・解析の取り組みを開始したと発表した。林業現場における人手不足や高齢化、安全性確保などの課題に対応し、効率的で持続可能な森林管理を目指す「林業DX」の一環として実施される。従来の現地調査では難しかった単木単位での詳細な森林データを取得することで、森林資源の管理精度向上と作業の安全性向上を図る。

 実証実験では、ヤマハ発動機が産業用無人ヘリによる広域レーザー計測を担い、得られたデータを精密林業計測が解析する。既に岐阜県内の社有林にて実験を実施済みで、樹種、樹高、直径、材積、位置情報といったデータの一括可視化に成功した。さらに、地形や水系に応じた樹種分布の把握、大径木の抽出、野生動物の餌となる堅果類の分布把握など、多面的な活用が期待されている。こうした技術により、現地調査の省力化や作業中の事故防止、野生動物との接触リスク軽減など、安全性向上にも貢献する見込みだ。

 また、将来的には森林が吸収・固定する二酸化炭素量の算出や「J-クレジット」制度への活用も視野に入れており、カーボンニュートラル社会の実現にも資する可能性がある。王子グループは国内外で約63.5万haの社有林を保有しており、これは東京都の面積の約3倍に相当する。今後もこうした技術を通じて森林情報の蓄積を進め、森林の多面的機能をモニタリングしつつ、森林管理の高度化を図っていく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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