日本ハム、ウシの腱から再生靭帯を開発するCTBE社に出資

■脱細胞化技術を活用した靭帯再建用デバイス開発を支援

 日本ハム<2282>(東証プライム)は11月10日、ウシの腱を原料に膝前十字靭帯再建用「組織再生型靭帯デバイス」を開発するCoreTissue BioEngineering(CTBE)社への出資契約を締結したと発表した。CTBE社は早稲田大学発の医療機器スタートアップで、脱細胞化技術や凍結乾燥・滅菌技術を応用した靭帯再生デバイスの商用化を進めている。日本ハムは本出資を通じて畜産資源の高度活用を図り、スポーツ医療分野の課題解決および企業価値向上を目指す。

 CTBE社が開発するデバイスは、ウシ由来の脱細胞化組織を用いることで生体適合性が高く、手術後に患者自身の細胞が侵入し自己組織へ再生する仕組みを持つ。2024年12月には企業治験として初の臨床使用が行われ、現在は安全性を確認するパイロット試験を継続中である。今回の資金調達では日本ハムを含む複数機関から計6億円を得ており、米国での治験準備と商用生産体制の整備を進めている。

 日本ハムは従来から「食とスポーツ」をテーマに、プロスポーツチーム経営やボールパーク運営を通じて健康価値の創出を推進してきた。2025年度からは新たなR&D戦略「Proteinovation(プロテイノベーション)」を掲げ、ヘルスケアやアップサイクル領域を重点分野に位置づけている。今回の出資は、たんぱく質の新たな活用を通じて医療・再生分野への展開を強化し、スポーツ医療の未来を支える一歩となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る