インフォマートと東京大学の共同研究論文が最優秀賞を受賞、AIでデータ活用を加速させる合成データ生成技術を開発

 デジタル技術で業務効率化を進めるインフォマート<2492>(東証プライム)は11月20日、東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 早矢仕研究室との共同研究論文が「第6回とめ研究所若手研究者懸賞論文」で最優秀賞を受賞し、11月8日(土)に授賞式が行われたことを公表した。同論文は、知識グラフ、大規模言語モデル(LLM)、説明可能なフィードバックを組み合わせ、実データの特徴をより忠実に再現する合成データ生成技術を開発したものであり、研究内容と論理展開が評価された。

■受賞概要

・賞の名称:とめ研究所若手研究者懸賞論文 最優秀賞
・主催:株式会社とめ研究所(本社:京都市下京区、代表取締役:福留 五郎)
・後援:一般社団法人情報処理学会、一般社団法人人工知能学会、特定非営利活動法人ヒューマンインタフェース学会、公益財団法人京都高度技術研究所
・受賞論文:KGSynX:知識グラフと説明可能なフィードバックによるLLMの合成表形式データ生成
・著者:東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 兪 科(Ke YU)、早矢仕 晃章(同社技術顧問)、株式会社インフォマート 石倉 茂、臼倉 由香利、至極 有輝

■研究の概要と受賞理由

 同研究では、統計的傾向だけでなく、意味的・構造的制約を導入し、実データの特徴を高いレベルで再現する合成データ生成手法「KGSynX(Knowledge Graph and Explainable Feedback Guided LLMs for Synthetic Tabular Data Generation)」(読み:ケージーシンクス)を提案した。従来の合成データは統計的類似性が高くても特徴量間の論理関係が欠如する課題があった。KGSynXは知識グラフ、LLM、説明可能なフィードバックの3手法を組み合わせることで、制御可能で意味的一貫性のある合成表データ生成を可能にした。この手法により、同社が扱うデータにおけるプライバシー保護と高度なデータ活用を両立し、大容量データ分析やAI学習用データの活用に向けた前進につながった。

 同研究の論理展開に加え、人と機械が共生する社会における実用性と応用可能性が高く評価され、受賞に至った。

■研究における同社の役割

 同社は2024年より東京大学早矢仕研究室とAIを用いた共同研究を進めている。同研究では匿名化・統計処理を施した上で、同社が提供する「BtoBプラットフォーム」で取引された年間60兆円超の膨大な商取引データを提供し、KGSynXの開発と検証に寄与した。

■今後の展望

 同社は今後も自社が保有するデータ分析を推進し、顧客と社会の発展に貢献していく方針である。東京大学との研究についても、より高度なAI活用を通じてデータ価値の向上を図るとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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