【話題株】ティムコとスノーピークの資本業務提携を市場は好感

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■株価は底堅い動き

ティムコ<7501>(JQS)は、約7カ月前の4月10日夕方にスノーピーク<7816>(東1)との資本業務提携と主要株主の異動を発表したことで、朝から買い気配のままストップ高(100円高の666円)に張り付いて引け、翌12日は出来高27万2900株とこの企業としては大商いとなった。

 その後も、資本業務提携を好感し、株価は底堅い動きとなっている。

 スノーピークは、新潟の燕三条という金属加工で有名な地域にある。現社長である山井太氏は、地場の技術を使ったジャパンクオリティのキャンプ道具作りに取り組んだ。その高品質のキャンプ道具は、やがてスノーピークの根強いファンを拡大し、同社は大きく成長していく。それと同時に、世界有数の金属加工技術の匠は、燕三条をブランド化し、このエリアの地域創生をも担うことになる。

中国製品等の低価格の製品が台頭してくるに従い、日本製品も厳しい価格競争にさらされてきた。それは世界有数の技術を持つ燕三条も例外ではなかったが、スノーピークの成長は、燕三条を薄利の低価格競争から救った形となる。

 ティムコとスノーピークは、業界も一緒であるうえに、山井社長の趣味がフライフィッシングという縁もあり、以前から何か一緒に行えることはないかと模索していた。

 その間、スノーピークもマザーズに上場し、2015年にはⅠ部上場企業となった。日本のキャンプもリーディングカンパニーと、日本のフライフィッシングのリーディングカンパニーが一緒に手を組むことで、日本のアウトドア業界に新たな流れをつくりたいとの思いが一致し、今年4月に資本業務提携に至った。

 これからは、商品を共同開発したり、店舗を一緒に出したり、イベントを行ったり、或いは、地方創生のための活動を行いたいとしている。

 例えば、地方自治体が単体でキャンプ場を運営するよりも、スノーピークがプロデュースすることで、運営ノウハウが活かされるほか、スノーピークのブランドが集客のプロモーション効果を生み、キャンプを使って地域創生も可能となる。

 地方に行くと、空と大地しかないという人たちが多いが、実は、空と大地は物凄い資産である。それを活かす活動の手助けも出来ることから、色々なところで展開することも出来る。

 アウトドア業界は、決して良くない状況である。例えば、登山のピークは、2009年で、そのころの登山人口は1,230万人、直近では、680万人ほどまで減っている。

 そのような状況であるが、今回の業務提携で、スノーピークが持っている企業文化、同社が持っている企業文化が良い刺激となっていることから、中長期的に見れば、業績にも好影響が出てくると思われる。

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