アイリックコーポレーションの第2四半期は売上高が17%増加し経常益は26%増加

■6月通期の見通しは最高益の予想を継続

 アイリックコーポレーション<7325>(東マ)が2月14日の取引終了後に発表した2020年3月期・第2四半期の連結決算(2019年7~12月)は、保険販売事業法人営業部門とソリューション事業AS部門が牽引する形で好調に拡大し、売上高が20.56億円(同16.9%の増加)となり、経常利益は2.54億円(同25.8%の増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1.53億円(同26.3%の増加)となった。

■金融機関の保険販売向け教育・コンサルなど順調に拡大

 業界唯一のワンストップ型「保険分析・検索システム」を自社開発し、そのシステムを活用して来店型保険ショップ『保険クリニック』を全国展開する。生命保険の現状把握・検索提案システム「ASシステム」、保険申込ナビゲーションシステム「AS-BOX」なども提供し、業界のプラットフォーム化を目指す。

■TSUTAYAとの提携店舗など他業界からの出展を加速

 この期、保険販売事業における直営店数は、新たに5店舗出店したほか、千葉県柏市でセブンパークアリオ柏店と柏店を統合したことにより、店舗数は42店舗(前期末38店舗)となった。

 ソリューション事業のFC(フランチャイズ)部門は、12月末のFC店舗数が173店舗(前期末159店舗)となった。この部門では、今までの専業代理店に加え、保険業界への参入を目指す他業界の企業をターゲットとした新規リクルート活動を引き続き強化している。

 同じくAS部門は、一部解約があったことでID数は微減となったものの、大手金融機関に対する教育・コンサルティング業務が順調に推移し、売上を伸ばした。今後も全国規模の金融機関や大手保険会社、地方銀行・企業系代理店による新規システム導入が見込まれ、引き続き成長ドライバーとして期待される分野となっている。

 システム事業では、子会社の(株)インフォディオが開発した「スマートOCR」の売り上げ、および受託開発案件が増加。成長ドライバーとして期待される分野となっている。

 6月通期の連結業績見通しは、19年8月の前期決算発表時の予想を継続し、売上高は41.91億円(前期比8.3%の増加)、経常利益は6.35億円(同16.3%の増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4.00億円(同22.3%の増加)、1株利益は46円85銭。売上高、各利益とも続けて最高を更新することになる。

 成長戦略の一つとして、保険販売事業のFC(フランチャイズ)戦略では、他業界からの出店を加速させ、FC店舗数の拡大を目指す。株式会社TSUTAYAとの業務提携による第1号店として19年7月に「保険クリニック高麗川店」(埼玉県)がオープンした。「TSUTAYA」のフランチャイズ加盟企業と協力し、
「TSUTAYA」店舗内へのテナント導入を行うなどの戦略を進めている。

 また、東京、千葉、埼玉で「スーパーBeLX」を44店舗展開する株式会社サンベルクスのグループ会社とフランチャイズ契約を締結し、19年9月に「保険クリニック:ベルクスモール足立花畑店」(東京都足立区)をオープンした。

 ソリューション事業(AS部門)では、AI搭載のスマートOCR開発により『ASシステム』を生命保険業界の教育研修に提供を開始した。保険の募集販売事業には他業界からの新たな参入が見込まれるため、潜在市場はさらに大きな規模に拡大する余地がある。(HC)

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