【株式市場特集】「大いなる楽観シナリオ」と「大いなる悲観シナリオ」で注目の銘柄とは?

■まずは小出しのスタンバイ、打診買いから

 今週の当特集は、「大いなる楽観シナリオ」と「大いなる悲観シナリオ」を両並びに提示することとした。大楽観シナリオは、前週末3日後場の株高銘柄の後追いのきらいはあるものの、新型コロナウイルス感染症対策で後手を踏んだ菅首相を反面教師に、最大の経済対策はコロナ対策として感染症予防関連株が中心となりそうだ。大悲観シナリオは、自民党総裁選挙の流動化、衆議院選挙の混迷化を想定するもので、ここでは選挙関連銘柄を有力ターゲットとした。このまま突っ走り大相場が期待できるのか、それとも一転した大崩れを懸念しなくてはならないのかはさて置き、まずは小出しのスタンバイ、打診買いから始めたい。

■初期株高反応の野戦病院関連株や大手通信キャリアが株高持続性にトライ

 楽観シナリオの新型コロナウイルス感染症対策関連株は、まず自民党総裁選挙に立候補を表明した岸田文雄前政調会長が、すでに発表した「健康危機管理庁」の創設、医療難民ゼロ、臨時医療施設(野戦病院)の開設などの関連政策を軸に展開されることになる。キャリア<6198>(東マ)は、大規模ワクチン接種センターや職域接種への看護師派遣で前週末3日に2回目の今9月期業績の上方修正を発表したが、MRT<6034>(東マ)も、同様の要因で今12月期業績を上方修正済みであり、同業他社のエス・エム・エス<2175>(東1)、クイック<4318>(東1)、クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1)、さらにオンライン診療のオプティム<3694>(東1)、ネクシィーズグループ<4346>(東1)、メドレー<4480>(東マ)なども該当する。

 また前週末に野戦病院の開設では、医療機器・設備の新設関連でレオクラン<7681>(東2)がストップ高と買われたが同業他社のオルバヘルスケアホールディングス<2689>(東1)、ウイン・パートナーズ<3183>(東1)、ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東1)、さらに病院建築に実績の戸田建設<1860>(東1)などへも波及しそうだ。人工呼吸器関連の帝人<3401>(東1)、テルモ<4543>(東1)、ダイキン工業<6367>(東1)、フクダ電子<6960>(JQS)や人工心肺装置(ECMO)の日本光電<6849>(東1)、さらに回診用X線撮影装置の島津製作所<7701>(東1)などにも関連株人気が広がりそうだ。

 このほか菅退陣で携帯料金の「官製値下げ」圧力が和らぐとして値上がりした大手キャリアのNTT<9432>(東1)、KDDI<9433>(東1)、ソフトバンク<9434>(東1)も株高持続性を試すことになる。

■政権交代・短命内閣時代へ里返りか?選挙関連株の注目度がアップ

 悲観シナリオは、政局不安で株価が不安定化するあの1990年代~2000年代初めの再現である。内閣支持率が10%上下すると、日経平均株価が1000円上下にブレるとされた時代だ。となると選挙関連株の出番となる。当特集では再三再四、選挙関連の「三羽烏」として言及しているイムラ封筒<3955>(東2)、ムサシ<7521>(JQS)、麻生フオームクリート<1730>(JQS)の出番である。イムラ封筒は、メーリング事業、ムサシは投票用紙や読取分類機で選挙特需を享受し、麻生フォームは選挙が近付くと特異な株価推移をみせる。

 このほか、今回は新1万円札関連で人気化した投票用紙自動交付機のグローリー<6457>(東1)、選挙用の拡声器のTOA<6809>(東1)、選挙資機材レンタルのワキタ<8125>(東1)、西尾レントオール<9699>(東1)も定番銘柄である。さらにネット調査のクロス・マーケティンググループ<3675>(東1)、GMOリサーチ<3695>(東マ)、マクロミル<3978>(東1)、りらいあコミュニケーションズ<4708>(東1)、ネット選挙向けサイバーセキュリティサービスのデジタルハーツホールディングス<3676>(東1)、「口コミ分析」のホットリンク<3680>(東マ)、政治サイト「政治山」運営のパイプドホールディングス<3919>(東1)、「ニコニコ生放送」のKADOKAWA<9468>(東1)も関連株人気を高めよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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