【どう見るこの株】ヒューリック、成長戦略を見直しバリュー株買いが再燃、都心不動産高騰も追い風

■M&A、エンタメ事業参画などを1Q好決算がサポート

 ヒューリック<3003>(東証プライム)は、前日7日に1円高の1465.5円と小反発して引け、取引時間中には1470.5円と上値を伸ばす場面もあり、25日移動平均線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強めた。同社株は年初来、鉱研工業<6297>(東証スタンダード・監理)への株式公開買い付け(TOB)やスポーツ・エンタメ事業への参画など数々の成長戦略を推進しており、今年4月25日に発表した今2025年12月期第1四半期(2025年1月~3月期、1Q)業績が2ケタの増収増益で着地したことがサポートし、成長戦略を見直しバリュー株買いが再燃した。不動産デベロッパーとして7月1日に国税庁が発表した路線価で、東京の地価の上昇率が、8.1%と全国平均の3倍の伸びを示したことも側面支援材料視されている。

■不動産賃貸事業は安定的に推移し不動産販売事業の売り上げは順調

 同社は、今年1月8日のベトナムの賃貸工場事業への投資参画以来、収益不動産物件の取得、再生エネルギー向け蓄電池事業の1000億円投資、渋谷・宮益坂地区の市街地再開発組合の設立、アストマックス<7162>(東証スタンダード)との資本・業務提携、鉱研工業へのTOB、プロバスケットチーム「アルティーリ千葉」のホームアリーナ開発などの成長戦略を数々推進してきた。今期から推進している新中期経営計画では、都心の好立地を中心にして賃貸物件の開発を積極継続するほか、3年間でM&A投資枠1000億円を設定しており、この推進が今期早々からスタートしたことになる。

 一方、今期1Q業績は、売り上げ1566億4400万円(前年同期比45.5%増)、営業利益318億1600万円(同34.0%増)、経常利益280億1000万円(同31.8%増)、純利益171億7500万円(同8.3%増)と大きく増収増益転換した。今期1Qに竣工・取得した物件を含めた東京23区を中心とする約250件のオフィスなどの賃貸物件や、賃貸可能面積約138万平方メートルを活用した不動産賃貸収入が安定的に推移し、販売用不動産事業の売り上げも順調で、ホテル・旅館事業ではインバウンド事業の取り込みで宿泊単価が向上したことなどが寄与した。今12月期通期業績は、期初予想を据え置き、売り上げは、不動産賃貸事業は安定的な収益構造になっているものの、不動産販売事業の売り上げは変動するとして引き続き未定とした。ただ営業利益は1780億円(前期比8.9%増)、経常利益は1640億円(同6.2%増)、純利益は1080億円(同5.5%増)と見込み、純利益は連続して過去最高を更新する。配当は、年間57円(前期実績54円)へ連続増配を予定している。

■25日線出没の三角保ち合いが煮詰まりPER10倍の修正に再発進

 株価は、今年4月のトランプ関税による世界的なトリプル安の影響で年初来安値1321.5円へ調整し、売られ過ぎ修正でリバウンドし、今期1Qの好決算が続いて年初来高値1559円まで上値を伸ばした。同高値後は、年初来安値から年初来高値までの上昇幅の半値押しに当たる25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続け、煮詰まり感を強めてきた。PERは10.3倍、配当利回りは3.88%と割安であり、保ち合い上放れから年初来高値1559円を奪回し、次の上値目標として2024年1月高値1648円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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