【注目銘柄】カバーは市場コンセンサス上回る連続2ケタ増収増益業績を手掛かりにIPO株買い再燃

■VTuberの世界トップクラス独占で業績好調

 カバー<5253>(東証グロース)は、今年3月27日の新規株式公開(IPO)時につけた初値1750円へ肉薄している。同社株は、今年5月12日にIPO後の初決算を発表し、前2023年3月期業績の上ぶれ着地に続き、今2024年3月期業績を連続の2ケタ増収増益と予想し、市場コンセンサスを上回ったことを手掛かりに直近IPO株買いが再燃した。テクニカル的にも3月27日につけた上場来高値2000円からその後の上場来安値1300円への調整幅の半値戻しをクリアしており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」の期待を高めている。

■国内外で新VTuberがデビューし新大型スタジオから多様なコンテンツ提供

 同社の今3月期業績は、前期業績がIPO時予想を上ぶれて着地したあとを受け、売り上げ265億6200万円(前期比29.9%増)、営業利益46億5000万円(同36.1%増)、経常利益46億2300万円(同36.6%増)、純利益32億3600万円(同29.0%増)と予想されている。利益は、市場コンセンサスを4億円~7億円上回る。世界トップクラスのVTuberを独占保有するライブ配信会社として、所属VTuberのYouTube総チャンネル総登録数が、前期末に7558万人(前々期末比23.1%増)に達し、在籍VTuberも世界の上位を独占するなど75名となり、今期もより幅広いファン層獲得へ国内・海外で新しいVTuberのデビューを予定しているほか、総工費27億円で設立した新大型スタジオで多様なコンテンツを開発し、開発費20億円~23億円を投資し、今期中にメタバース・プラットフォームを提供するためβ版を公開したことなどが要因となる。

 なお前期業績は、今年3月18日~19日開催の大規模イベントの配信チケット販売やライセンス商品の販売が、直近の需要予想を合計約17億円上回ったとして、利益をIPO時予想から10億円~12億円上方修正し、前々期比49.7%増収、84.2%営業増益、82.6%経常増益、2.01倍純益増益で着地した。

■直近IPO株人気の再燃で初値奪回から「半値戻しは全値戻し」に弾み

 株価は、今年3月27日に公開価格750円でIPOされ、1750円で初値をつけ上場来高値2000円まで買い進まれる高人気となり、反動安で上場来安値1300円まで調整した。同安値からは、前期業績の上方修正で1745円と大幅反発し、初決算期待で1865円の戻り高値まで上値を伸ばしたが、新スタジオの設立を発表したことで投資負担になって今期業績の下ぶれ要因と懸念し1675円まで再調整した。この懸念に対して今期業績は2ケタの増収増益と予想され懸念一巡となっている。足元の株価は、直近IPO株人気の再燃で上場来高値から同安値への調整幅の半値戻しをクリアしており、初値1750円奪回から相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」を強め上場来高値2000円にキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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