【マーケットセンサー】地震・事故・選挙・・2024年の「ブラックスワン」に打ち勝つ投資戦略

■再生可能エネルギー株や金のポートフォリオなどのヘッジ策を提案

 新年早々に能登半島地震と航空機事故が発生し、被災者や株式市場にも大きな衝撃を与えている。このような予測困難な事象を「ブラックスワン」と呼ぶが、今年は他にも電力供給や米大統領選挙などのブラックスワンが飛来する可能性がある。そこで、投資戦略として再生可能エネルギー株や金のポートフォリオなどのヘッジ策を提案したい。

■再生可能エネルギー株で電力不安を解消

 能登半島地震は、原子力発電所が多数立地する地域で起きた。震源周辺には、関西電力<9503>(東証プライム)の原発4基や北陸電力<9505>(東証プライム)の志賀原発、東京電力ホールディングス<9501>(東証プライム)の柏崎刈羽原発などがある。これらの原発の安全性や運転再開の見通しが不透明になり、電力供給に影響が出る恐れがある。電力のサプライチェーン問題で注目されるのは、再生可能エネルギー関連銘柄だ。地産地消の分散型エネルギーとして、原発などの集中型エネルギーの脆弱性をカバーし、地域経済の活性化にも貢献しているからだ。

■トランプ氏の再出馬の可能性もある米大統領選の不確実性

 米大統領選挙は、とくに政策予測性が困難なブラックスワンだ。2016年の選挙では、トランプ候補が民主党候補のヒラリー・クリントン氏を破って当選したことが、株式市場に大きな動揺をもたらした。今年の選挙は、トランプ氏の出馬資格が不透明で、バイデン大統領へのリターンマッチになる可能性もある。米国の政治・経済・外交の動向に左右される日本の株式市場にとって、米大統領選挙は大きなリスク要因となるだろう。米大統領選挙へのヘッジ策として、究極の安全資産といわれる金のポートフォリオへの組み入れが有効だ。

 2024年は、自然災害や政治的な事象などのブラックスワンが飛来する年になるかもしれない。しかし、それらの事象に対応する解決策として、再生可能エネルギー株や金のポートフォリオなどのヘッジ策への投資を検討することで、2024年相場の関門を乗り切ることができるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る