クリナップは24年3月期3Q累計減益だが進捗率順調、自己株式取得を発表

(決算速報)
 クリナップ<7955>(東証プライム)は2月6日の取引時間終了後に24年3月期第3四半期累計連結業績(を発表した。厨房部門が堅調に推移して増収だが、原材料・資材価格高騰や人件費増加などの影響で減益だった。通期はプロモーション強化による拡販や原価低減を推進して営業・経常増益予想としている。第3四半期累計は減益だったが進捗率が順調であり、通期予想の達成は可能と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。なお自己株式取得を発表した。株価は昨年来高値圏だ。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感に加え、自己株式取得も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期3Q累計減益だが通期は営業・経常増益予想

 24年3月期第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比3.5%増の974億34百万円、営業利益が24.4%減の23億97百万円、経常利益が21.5%減の28億百万円、親会社株主帰属四半期純利益が30.5%減の18億12百万円だった。

 厨房部門が堅調に推移して増収だが、原材料・資材価格高騰や人件費増加などの影響で減益だった。部門別の売上高は厨房部門が5.0%増の797億17百万円、浴槽・洗面部門が3.5%減の115億98百万円だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が318億82百万円で営業利益が4億83百万円、第2四半期は売上高が316億53百万円で営業利益が5億64百万円、第3四半期は売上高が338億99百万円で営業利益が13億50百万円だった。

 通期の連結業績予想(23年10月31日付で下方修正)は据え置いて、売上高が23年3月期比3.8%増の1287億円、営業利益が2.8%増の31億円、経常利益が1.1%増の36億円、親会社株主帰属当期純利益が8.9%減の23億円としている。配当予想(23年11月7日付で期末5円上方修正、創業75周年記念配当5円を実施)も据え置いて、23年3月期比5円増配の31円(第2四半期末13円、期末18円=普通配当26円+創業75周年記念配当5円)としている。予想配当性向は49.7%となる。

 通期はプロモーション強化による拡販や原価低減を推進して営業・経常増益予想としている。第3四半期累計は減益だったが進捗率(売上高76%、営業利益77%、経常利益78%、当期純利益79%)が順調であり、通期予想の達成は可能と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

 なお自己株式取得(上限82万5800株または7億円、取得期間24年2月7日~24年2月29日)を発表した。

■株価は上値試す

 株価は昨年来高値圏だ。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感に加え、自己株式取得も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。2月6日の終値は749円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS62円35銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の31円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1514円13銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約280億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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