クレスコは25年3月期3Q累計2桁増収増益と順調、通期増収増益予想据え置き

 クレスコ<4674>(東証プライム)は2月6日に25年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。全体として受注が好調に推移し、前年の不採算プロジェクトの影響一巡も寄与して2桁増収増益だった。そして通期増収増益予想を据え置いた。受注環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は1月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■25年3月期3Q累計2桁増収増益と順調、通期増収増益予想据え置き

 25年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比11.8%増の431億02百万円、営業利益が25.9%増の41億54百万円、経常利益が13.9%増の44億26百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.0%増の29億26百万円だった。

 全体として受注が好調に推移し、前年の不採算プロジェクトの影響一巡も寄与して2桁増収増益だった。営業外収益ではデリバティブ評価益が2億71百万円減少、特別損失では前期計上の減損損失2億09百万円が剥落した。

 ITサービス事業は売上高が12.1%増の400億58百万円、営業利益(全社費用等調整前)が24.7%増の55億12百万円だった。

 内訳として、エンタープライズは売上高が9.8%増の161億70百万円で、営業利益が27.6%増の17億24百万円だった。増収・大幅増益だった。受注面では建設・不動産分野、流通サービス、人材紹介・人材派遣の各分野が落ち込んだものの、情報・通信・広告、運輸、その他の各分野が大幅に伸長し、利益面では前期の不採算プロジェクトの影響が一巡したことも寄与した。

 金融は売上高が18.4%増の128億14百万円で、営業利益が28.9%増の17億32百万円だった。大幅増収増益だった。銀行分野の受注が好調に推移し、ジェット・テクノロジーズの新規連結も寄与した。利益面は前期の不採算プロジェクトの影響が一巡したことも寄与した。

 製造は売上高が8.8%増の110億72百万円、営業利益が19.1%増の20億55百万円だった。増収・大幅増益だった。機械・エレクトロニクス分野の受注が伸び悩んだものの、自動車・輸送機器、その他の各分野の受注が増加し、ジェット・テクノロジーズおよび高木システムの新規連結も寄与した。

 デジタルソリューション事業(ライセンス販売)は、売上高が8.3%増の30億44百万円、営業利益が8.3%減の1億34百万円だった。増収ながら小幅減益だった。前年の大型ライセンス販売の反動等で小幅減益だが、売上面は高木システムの新規連結も寄与して順調だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が137億58百万円で営業利益が8億70百万円、第2四半期は売上高が147億48百万円で営業利益が17億38百万円、第3四半期は売上高が145億96百万円で営業利益が15億46百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比10.9%増の585億円、営業利益が15.2%増の59億円、経常利益が6.0%増の60億円、親会社株主帰属当期純利益が7.3%増の40億円としている。配当予想は38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。24年7月1日付株式2分割を遡及修正すると24年3月期(年間26円)比12円増配の形となる。連続増配で予想配当性向は39.2%となる。

 受注が堅調に推移し、前期の不採算案件発生の影響一巡、生産性向上効果なども寄与して増収増益予想、そして連続増配予想としている。受注環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は切り返しの動き

 株価は1月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。2月6日の終値は1170円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS96円99銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1343円78銭を株式2分割後に換算した671円89銭で算出)は約1.7倍、そして時価総額は約515億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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