【株式市場特集】食料品株、電力株、電鉄株、そしてコメ・鶏卵・金先物関連株に注目

■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄

 4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加の転嫁、賃上げ原資確保のため実施される。消費者に受け入れられれば「小さなウオッチ 大きなチャンス」となり、関連株の株価上昇カタリストとなる可能性が高い。しかし、生活防衛意識を刺激し節約志向を強める結果になれば「大きなリスク」に転じる恐れもある。過去の値上げ動向から見れば、トライする余地はあり、食料品株、電力株、電鉄株、そしてコメ・鶏卵・金先物関連株に注目し、新年度相場の初動とすることも検討に値する。

■ビール株に乳業株、電力株、電鉄株と続きPBR1倍割れから上値追い余地も

 今年4月に値上げを予定しているのは、食品株ではビール株のサッポロホールディングス<2501>(東証プライム)、アサヒグループホールディングス<2502>(東証プライム)、キリンホールディングス<2503>(東証プライム)、サントリー食品インターナショナル<2587>(東証プライム)を筆頭森永乳業<2264>(東証プライム)、雪印メグミルク<2270>(東証プライム)の乳業株、カルビー<2229>(東証プライム)、キユーピー<2809>(東証プライム)、東洋水産<2875>(東証プライム)、日清食品ホールディングス<2897>(東証プライム)、ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)などと続く。このうちキリンHDは、今12月期業績が、構造改革費用計上が響いた前期からのV字回復を見込み配当も増配を予定し、株価は低PER・高配当利回り水準にある。ケンコーマヨネーズも、今3月期業績の上方修正に価格改定発表が続きPERは10倍割れ、PBRは1倍割れとなっており、乳業2社は再三にわたる価格改定であり、PERは12倍~14倍、PBRは1倍割れと価格改定への高感応度を発揮しそうだ。

 4月1日に電気料金の値上げを予定している電力株も、無配継続の東京電力ホールディングス<9501>(東証プライム)を別にしても残る9社は、銀行株と同様にPBRが1倍を下回っている。このなかで中国電力<9504>(東証プライム)は、今年3月19日に今3月期業績の3回目の上方修正と2回目の増配を発表したばかりで同様の銘柄も多い。低PER株のトップスリーは3.0倍の北陸電力<9505>(東証プライム)以下、北海道電力<9509>(東証プライム)、東北電力<9506>(東証プライム)と続き、高配当利回り株は、3.56%の九州電力<9508>(東証プライム)以下、中部電力、関西電力と続く。電鉄株でもJR西日本<9021>(東証プライム)、南海電気鉄道<9044>(東証プライム)、JR九州<9142>(東証プライム)が、値上げを予定して低PERであり、今12月期業績のV字回復を見込んでいる住友ゴム工業<5110>(東証プライム)は、低PER・PBR、高配当利回り修正で昨年来高値を更新中である。

■コメ・鶏卵・金価格関連株も物価問題のキーポイント人気を増幅

 値上げではなく市場価格の上昇が物価問題のキーポイントとなる関連株の動向も要注目となる。コメ価格は、備蓄米の第一次放出が終わり第二次入札が近付いており、コメ卸の木徳神糧<2700>(東証スタンダード)、ヤマタネ<9305>(東証プライム)が関連人気を高めそうだ。鳥インフルエンザ感染症の後遺症で高値状態が続く鶏卵関連でもホクリョウ<1384>(東証スタンダード)、イフジ産業<2924>(東証スタンダード)、日和産業<2055>(東証スタンダード)の注目度が高まりそうだ。また世界的な安全資産買いで最高値更新が続く金先物価格・国内小売り価格関連では、このところ株価感応度の強さが目立っている中外鉱業<1491>(東証スタンダード)、松田産業<7456>(東証プライム)をリード株に非鉄株などのキャッチアップも有力となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る