パナソニックHD、エンジニアリングプラスチックと同等の強度を有するセルロースファイバー成形材料を開発

■持続可能社会に寄与する次世代バイオマス素材

 パナソニック ホールディングス<6752>(東証プライム)グループは5月15日、植物由来のセルロースファイバーを40%配合し、エンジニアリングプラスチックと同等の強度と成形性を実現した新素材を開発したと発表。ナイロン系樹脂との複合により、強度と低比重の両立に成功し、自動車内装部材など複雑形状への応用も可能とした。セルロースファイバーとナイロンを直接結合させる独自技術により、PBT-GF30%と同等性能を発揮する素材となった。

 同社は2015年以降、石油由来樹脂の削減を目指して研究を継続しており、「kinari」ブランドのもとで高濃度セルロースファイバー成形材料の開発を進めてきた。2019年には濃度55%、2021年に70%、2022年にはバイオマス度90%以上、さらに完全生分解性の材料も開発している。2025年には海洋分解性素材の開発にも成功した。

 今回の新材料はバイオマス度40%を有し、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク(No.240096)も取得済みである。2027年までに高強度樹脂ペレットの販売を予定しており、家電筐体や車載部材、大型外装部品への展開が計画されている。パナソニックHDは、持続可能な社会の実現を見据え、セルロースファイバー成形材料の可能性を広げる開発を継続する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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