【株式市場特集】「貯蓄から投資へ」を後押しする高配当銘柄の魅力、証券・銀行株も安定運用の選択肢に

■銀行株再評価、配当利回り5%超が続出

 今週の当コラムは、東証プライム市場の高配当利回りランキングの上位を占める高配当銘柄に注目することにした。この上位銘柄には、配当方針変更による増配銘柄、今期業績が減益転換予想でも増配銘柄、増配のほか自己株式取得や株式分割を含むダブルセット・トリプルセット予定の銘柄など増配ストーリー性を内包しているからである。業績を未定としていながら今期配当だけは開示している証券株や預金金利より配当利回りが上位にあって「貯蓄から投資へ」が期待できる銀行株を含めて「チャンス3回」を粘り強く狙うのも一考余地がありそうだ。

■トップ10には配当方針変更、株式分割、自己株式取得のセット銘柄も

 東証プライム市場の高配当利回りランキングは、いろいろ作成され上位にランクされる銘柄には違いがみられる。配当未定としていても前期配当の横並びとして算出したケースも散見される。上場会社の配当予想に基づいてスクリーニングしたトップ10は以下の通りとなる。後記の東洋証券<8614>(東証プライム)は別格として、7.05%の大平洋金属<5541>(東証プライム)の第1位以下、グンゼ<3002>(東証プライム)、UTグループ<2146>(東証プライム)、高島<8007>(東証プライム)、クレハ、東洋建設<1890>(東証プライム)、有沢製作所<5208>(東証プライム)、伊藤ハム米久ホールディングス<2296>(東証プライム)、三信電気<8150>(東証プライム)、アイティメディア<2148>(東証プライム)と続き、第10位のアイティメディアの配当利回りは6.40%と東証プライム市場の全銘柄平均の2.77%を大きく上回る。

 このなかで大平洋金属は、今期も赤字予想で減配だが、配当政策を連結配当性向30%からDOE4%に変更して年間配当は120円を維持する。UTグループは、配当性向を60%から100%に引き上げ年間162.72円に連続増配し、合わせて自己株式取得も発表した。グンゼは、普通配当をDOE4%として147円としたうえで特別配当69円を上乗せして年間216円とする。高島は、9月30日を基準日に株式分割を予定し、年間配当は分割を勘案して実質90円に連続増配意向である。東洋建設は、2年間限定で配当性向を100%に引き上げ年間90円に連続増配する。伊藤ハム米久HDは、経営統合10周年記念の記念配当を今期も175円継続し年間320円を予定している。

■証券株は業績非開示も配当高水準、銀行株は預金口座から証券口座に資金移動も

 証券株は、高配当利回りランキング表で上位に顔を揃えている一部ケースもある。しかしもともと業績ガイダンスが経済情勢や相場環境の影響を受け算定が困難として非開示とし配当も未定としているのが大半であり、この高配当利回りは、今期配当を前期配当の横並びと設定して算出したようである。そのなかで今期予想配当を開示した証券株は、配当利回りが市場平均を上回っており要マークとなる。普通配当と特別配当合計で50円の配当を予想した東洋証券の配当利回りは、11.0%と高く、特別配当を70円と予想したアイザワ証券グループ<8708>(東証プライム)は配当利回り5.80%、普通配当は未定で特別配当30円のみ開示した丸三証券<8613>(東証プライム)は、3.49%に回る。また今期配当を44円とした大和証券グループ本社<8601>(東証プライム)の配当利回りは4.66%で、決算とともに自己株式取得も発表している。

 「貯蓄から投資」で普通預金の金利(0.2%程度)より配当利回りの高い銀行株は、預金口座から証券口座への資金移動も予想されるところである。もちろん株式は、預金と異なり元本保証がなく、受領した配当金以上に株価が下落すればマイナス評価になることになる。ただあのバブル経済崩壊後に金融危機時のように「危ない銀行」が頻出して株券が紙クズに変わる心配はなく、再評価のチャンスは3度訪れるのである。銀行株の高配当ランキングのトップ5は、配当利回り5.19%の秋田銀行<8343>(東証プライム)以下、フィデアホールディングス<8713>(東証プライム)、東和銀行<8558>(東証プライム)、トモニホールディングス<8600>(東証プライム)、南都銀行<8367>(東証プライム)と続いて、南都銀行の配当利回りは4.75%である。このうち秋田銀行、トモニHD、南都銀行が株主還元方針の変更に従って増配を予定し、東和銀行は自己株式取得を推進中である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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