
■オンライン手続きから証明書交付までスマホで完結
デジタル庁は6月6日、平デジタル大臣の記者会見において、個人番号カード(マイナンバーカード)機能を搭載したiPhone向けサービスを6月24日から開始する予定と正式に発表した。リリースは最終テストを踏まえた上での実施とされ、安全性を最優先とする姿勢が強調した。今回の搭載により、利用者証明用電子証明書および署名用電子証明書がiPhone上で使用可能となり、物理カードを携帯しなくても、マイナポータルへのログインやe-Taxの申請などが行えるようになる。また、「氏名・生年月日」などの券面記載情報をスマートフォン経由で提示・証明できる機能も実装され、対面での本人確認や年齢確認といった場面での活用が見込まれる。
■生体認証に対応し、パスワード入力不要に
機能面では、Face IDやTouch IDといった生体認証による本人確認が可能となり、従来のパスワード入力に起因する利便性の課題が解消される見通しだ。ユーザーはカードの紛失や持ち忘れの心配がなくなり、スマートフォン一台で行政サービスへのアクセスが可能となる。具体的な利用シーンとしては、マイナポータルによる医療・年金情報の閲覧、引っ越しに伴うオンライン申請、およびコンビニでの証明書交付などが挙げられており、導入初期から多様な行政サービスのデジタル化が実現される。
■対面確認やマイナ保険証機能も段階的に導入予定
さらに、7月からは一部医療機関にてマイナ保険証としての実証実験が開始され、9月以降、段階的に運用が開始される予定である。銀行窓口や賃貸契約時などにおける対面確認への活用も検討されており、今後は更なる利用拡大が見込まれている。ただし、今回のiPhone対応には運転免許証機能は含まれておらず、これは別途検討中の「マイナ免許証」と区別される。Android端末については現時点で電子証明書機能のみの対応となっており、Google社との調整が継続中である。リリースに際してはApple社との協力のもと、セキュリティを重視した開発が進められ、「万全の対策を施している」と説明された。今回の取り組みは、デジタル社会の信頼性向上と行政サービスの効率化を象徴する一歩といえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)