クリーク・アンド・リバー社、26年2月期1Q増収増益と順調、ゲーム・医療分野が牽引し通期大幅増益へ

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は7月10日に26年2月期第1四半期連結業績を発表した。増収増益と順調だった。前期苦戦したゲーム分野や医療分野が回復に転じた。そして通期の大幅増収増益予想を据え置いた。各事業の成長を見込み、M&A効果(第2四半期より高橋書店グループのPLを連結)も寄与する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■26年2月期1Q増収増益と順調、通期大幅増収増益予想据え置き

 26年2月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.7%増の138億39百万円、営業利益が12.7%増の14億21百万円、経常利益が10.1%増の14億06百万円、親会社株主帰属四半期純利益が6.2%増の9億13百万円だった。増収増益と順調だった。前期苦戦したゲーム分野や医療分野が回復に転じた。

 ゲーム&ライツマネジメントは売上高が12%増の40億60百万円、営業利益が20%増の3億86百万円だった。前期の一部大手ゲームパブリッシャーの案件縮小の影響が一巡して回復に転じた。ブロードキャスティング&動画は売上高が2%増の36億36百万円、営業利益が20%増の1億42百万円だった。映像関連が堅調だった。プロモーション&マーケティングは売上高が2%増の17億96百万円、営業利益が1%増の1億45百万円だった。官公庁、企業のプロモーション案件が堅調だった。メディカル&ヘルスケアは売上高が11%増の19億37百万円、営業利益が14%増の8億06百万円だった。前々期に実施した構造改革の効果があらわれ、医師紹介事業が伸長した。

 AI/DX・ITは売上高が4%増の7億43百万円、営業利益が10百万円の損失(前年同期は13百万円)だった。AIは投資段階だが、ツールベンダー支援サービス「DXの森」では提携パートナーが順調に拡大した。プロフェッショナル・エージェンシーは売上高が1%増の6億81百万円、営業利益が127%増の50百万円だった。前期は成約長期化の影響を受けたが、当期は回復傾向となった。Quality of Lifeは売上高が1%増の6億54百万円、営業利益が横ばいの23百万円だった。建築分野は資材高騰の影響等でプロジェクトが遅延したが、本社ビルで運営するイタリアンレストランは黒字定着した。インキュベーション&デベロップメントは売上高が80%増の5億86百万円、営業利益が93百万円の損失(同8百万円)だった。投資段階の事業が多いため営業損失だが、売上面は順調に拡大した。なお第2四半期より高橋書店グループの業績が加わる。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比19.3%増の600億円、営業利益が38.3%増の50億円、経常利益が35.3%増の50億円、親会社株主帰属当期純利益が42.1%増の32億円としている。配当予想は25年2月期比4円増配の45円(期末一括)としている。予想配当性向は30.0%となる。

 各事業の成長を見込み、M&A効果(第2四半期より高橋書店グループのPLを連結)も寄与する。高橋書店グループの業績寄与は、上期(3ヶ月分)が売上高5億円で営業利益3億円の損失、下期(6ヶ月分)が売上高44億円で営業利益8億円、通期(9ヶ月分)が売上高49億円で営業利益5億円としている。高橋書店グループを除くベースの計画は、売上高が前期比10%増の551億円、営業利益が25%増の45億円である。前期苦戦したゲーム分野や医療分野が回復に転じており、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は安値圏でモミ合う形だったが、下値固め完了して反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。7月10日の終値は1600円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS149円88銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の45円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS750円70銭で算出)は約2.1倍、時価総額は約368億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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