ティムコ、春季気温変動影響も前期比では増収・営業黒字化を確保、重点施策で下期改善へ

 ティムコ<7501>(東証スタンダード)は7月11日に25年11月期第2四半期累計(中間期)業績(非連結)を発表した。減収・赤字だった。春季の気温変動や物価高を背景とする個人消費伸び悩みに伴い、高価格帯商品を中心に販売が低迷した。そして通期予想を下方修正した。販管費は計画を下回るが、販売低迷による減収影響をカバーできない。ただし前期比では増収、営業黒字化を確保する見込みだ。積極的な事業展開で下期の収益改善を期待したい。株価は年初来高値圏だ。目先は下方修正を嫌気する動きが優勢になりそうだが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値限定的だろう。

■25年11月期2Q累計減収・赤字、通期予想を下方修正

 25年11月期第2四半期累計(中間期)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比4.5%減の16億25百万円、営業利益が32百万円の損失(前年同期は17百万円)、経常利益が28百万円の損失(同20百万円)、そして中間純利益が45百万円の損失(同2百万円)だった。減収・赤字だった。春季の気温変動や物価高を背景とする個人消費伸び悩みに伴い、高価格帯商品を中心に販売が低迷した。

 フィッシング事業は売上高が2.3%減の4億61百万円、営業利益(全社費用等調整前)が48.9%減の22百万円だった。在庫調整が緩やかに進んだが、気象要因などにより釣り具市場の低迷が継続し、原価高騰や円安による原価率悪化も影響した。

 アウトドア事業は売上高が5.5%減の11億53百万円、営業利益が48.0%増の34百万円だった。期初は気温低下で冬物防寒衣料の販売が堅調だったが、冬物売れ筋商品の欠品、春以降の登山需要の停滞、原価高騰や円安による原価率悪化などが影響した。

 その他(主に不動産賃貸収入売上)は、賃貸面積増加により売上高が19.1%増の10百万円、営業利益が31.2%増の5百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億68百万円で営業利益が37百万円の損失、第2四半期は売上高が8億57百万円で営業利益が5百万円だった。

 通期の業績(非連結)予想は25年7月11日付で下方修正して、売上高が前期比4.3%増の33億51百万円、営業利益が5百万円(前期は30百万円の損失)、経常利益が10百万円(同24百万円の損失)、当期純利益が22百万円の損失(同1億09百万円の損失)とした。配当予想は据え置いて前期と同額の12円(期末一括)としている。

 前回予想(25年4月11日付の期初公表値、売上高36億20百万円、営業利益1億03百万円、経常利益1億06百万円、当期純利益67百万円)に対して、売上高を2億69百万円、営業利益を98百万円、経常利益を96百万円、当期純利益を89百万円、それぞれ下方修正した。販管費は計画を下回るが、販売低迷による減収影響をカバーできない見込みだ。なお当期純利益については繰延税金資産の一部取崩も影響する。

 ただし前期比では増収、営業黒字化を確保する見込みだ。セグメント別売上高の計画は、フィッシング事業が6.5%増の8億49百万円、アウトドア事業が3.6%増の24億75百万円、その他が6.9%増の21百万円としている。重点施策として、輸出の強化、話題性のある仕入商材の販促強化、成長分野への注力、EC分野の強化などを推進する。積極的な事業展開で下期の収益改善を期待したい。

■株価は年初来高値圏

 株価は年初来高値圏だ。目先は下方修正を嫌気する動きが優勢になりそうだが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値限定的だろう。7月11日の終値は947円、今期予想配当利回り(会社予想の12円で算出)は約1.3%、前期実績PBR(前期実績のBPS1827円68銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約32億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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