東大とアイシン、深層学習(ディープラーニング)に普遍法則を発見、次世代AIと脳科学の融合に道筋

■AI進化の鍵握る新発見

 東京大学とアイシン<7259>(東証プライム)は7月19日、ディープニューラルネットワークにおける信号伝搬過程に普遍的な法則が見られることを発表した。統計物理学の「吸収状態転移」との対応関係を理論解析とシミュレーションによって明らかにしたもので、ディープラーニングの統一的理解への貢献が期待されている。同成果は米国の科学誌「Physical Review Research」に掲載された。

 研究では、活性化関数ReLUを用いたネットワークにおいて、信号の伝搬が止まる「吸収状態」に至る仕組みを解析した。この状態は森林火災や感染症などにも見られる統計物理学上の概念と同様であり、初期化されたネットワークでも同様の普遍法則が現れることを示した。また、スケール因子とネットワークの深さの積が性能を決定づけることを理論的に導出し、幅と深さのトレードオフ関係を定量的に捉える道を開いた。

 同枠組みは、今後のディープラーニング設計や量子機械学習への応用にも展望があるとされる。スキップ接続を取り入れたネットワークや脳・神経系との比較研究により、知的情報処理に関する理論的理解の深化が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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