【マーケットセンサー】テンプルトン理論で分析する日本株「陶酔」相場の行方

■東京市場に強気ムード、年初来高値銘柄が続出

 日経平均株価は8月13日、史上初めて4万3000円台に到達し、6日続伸となった。前日の米株市場でNYダウやNASDAQなど主要3指数が大幅上昇したほか、半導体株指数SOXの2.99%上昇が東京市場の半導体関連株の買いを後押しした。前週の決算発表直後は上方修正銘柄が売られ、下方修正銘柄が買われるなど不安定な動きが見られたが、週央以降は修正内容を問わず買いが集まり、ストップ高や年初来高値を付ける銘柄が相次いだ。

 市場の熱気の背景には、国内外投資家の心理改善がある。米株高と半導体株上昇が強気相場を下支えしているが、11日の米国市場ではNYダウが200ドル安と反落しており、短期的な過熱や急変への警戒も必要だ。市場は「強気は損気」か「弱気は損気」かを試される局面に差し掛かっている。

 米著名投資家ジョン・テンプルトンの「強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観のなかで成熟し、陶酔とともに消える」との言葉は、現在の相場を映す鏡となり得る。4月の米国による相互関税発動以降、「悲観」局面にあった世界市場は、懐疑や楽観を飛び越え「陶酔」状態に急浮上した印象がある。今の上昇相場が長期に及ぶのか、短期で終息するのかは予断を許さず、冷静な判断が求められる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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