都市部で急増する解体工事業者の倒産:負債高額化と小規模企業淘汰の現状

■小規模事業者の倒産が目立つ一方、負債は高額に、都市部での倒産増加が鮮明

 東京商工リサーチは8月11日、解体工事業者の倒産件数が過去最多ペースで推移していることを発表した。2025年1月から7月までの倒産件数は36件で、前年同期比12.5%増となった。このペースで推移すれば、これまで年間最多だった2024年の59件を上回る見込みだ。倒産した企業のほとんどが、資本金1000万円未満の小規模事業者であり、価格競争による受注不振が主な原因とされている。しかし、負債額1億円以上の企業が約4割を占めており、小規模ながらも負債が肥大化する傾向が明らかとなった。

■受注不振が倒産の主な要因、都市部で増加傾向が鮮明に

 2025年1月から7月までの倒産36件を原因別にみると、受注不振が23件と全体の63.8%を占めた。これは価格競争による値引きや受注獲得競争の激化が背景にある。一方、倒産形態は全てが破産であり、再建の難しさがうかがえる。また、倒産した企業の都道府県別では、東京都が9件で最多、次いで埼玉県、千葉県、愛知県が各4件と、都市部での倒産の増加が顕著となっている。小規模事業者が多くを占めるなか、機械や重機、車両などへの投資に加え、コロナ禍における借入金が負債の肥大化を招いている可能性が指摘された。

■厳しい経営環境がもたらすリスク、開発計画への影響も懸念

 解体工事業者は、人手不足やコスト高など厳しい経営環境に直面している。過度なコスト削減は、騒音や振動、粉塵などのトラブル、さらには不法投棄といった環境汚染や事故につながる危険性をはらむ。建設業界全体の好調な業績とは対照的に、解体工事業者の淘汰は、不動産市況の健全性を示すバロメーターとして注目されている。小規模業者の倒産が増加すれば、建て替えや再開発などのデベロップメント計画の遅延や停滞を招く事態も懸念される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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