東洋建設、小径ループ継手を用いた「TM-LOOP工法」を開発

■海上溶接を不要とする新接合方式で生産性向上を実現

 東洋建設<1890>(東証プライム)は11月13日、小径ループ継手を用いた組立式桟橋上部工の新たな構築方法「TM-LOOP工法」を開発したと発表した。同工法は、鋼管杭とプレキャスト(PCa)梁をループ鉄筋で接合し、海上での溶接作業を省略できる点が特徴である。ループ鉄筋の折曲げ半径を最小値とすることで、鋼管杭とPCa梁の間隔を縮小し、現場打ちコンクリート量の削減にもつながる。沿岸技術研究センターの確認審査・評価(第24006号)も受けた技術である。

 同工法は、一般的なプレキャスト工法と同様に、海上での鉄筋・型枠組立やコンクリート打設の作業を削減できるうえ、小径ループ継手の採用がさらなる省力化を可能にする。同社試算によれば、桟橋上部工に適用した場合、現場打ち工法と比べて海上施工の工期は約50%、作業員数は約75%削減できる。部材はPCa梁を杭間、スラブを梁間の単位で細分化しており、海上だけでなく陸上からの施工も選択肢となる。これにより大型揚重機による施工が困難なケースにも柔軟に対応できる。

 国内では建設現場の生産性向上と担い手不足が大きな課題となる中、同社は同工法の桟橋上部工への本格適用を進め、港湾工事における施工省力化と効率化を図る方針である。今後も生産性向上に資する技術開発を継続し、港湾インフラ整備の高度化に取り組むとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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