伊藤忠エネクスと菱倉運輸、首都圏でリニューアブルディーゼル実証開始

■名古屋港での先行実験に続き、小口配送車両への導入を拡大

 伊藤忠エネクス<8133>(東証プライム)は9月24日、菱倉運輸株式会社と連携し、首都圏で展開する小口積合せ配送用車両にリニューアブルディーゼル(RD)を導入する実証実験を開始したと発表した。今回の対象は3トントラックで、燃料を軽油からRDへ転換し、温室効果ガス(GHG)排出量の大幅削減を検証する。RDはネステ社(シンガポール)から輸入され、伊藤忠エネクスが供給を担う。両社はすでに名古屋港を起点とするコンテナ輸送車両での実証を終えており、今回の取り組みは第2弾となる。

 RDは廃食油や動植物油脂などを原料とし、ライフサイクル全体でのGHG排出量を石油由来の軽油と比べ最大90%削減できるとされる。既存の車両や給油設備をそのまま活用できる「ドロップイン」型の次世代バイオ燃料で、欧米を中心に広く流通実績を持つ。今回の実証では、配送業務における環境負荷低減効果を定量的に検証し、将来的な商用化や首都圏全体での導入に向けた課題抽出を進める。

 菱倉運輸は三菱倉庫グループの一員として、気候変動対策と環境保護を重要課題に掲げ、持続可能な物流実現を目指す方針を強調した。伊藤忠エネクスも経営理念「社会とくらしのパートナー」の下、環境負荷低減型エネルギー商材の普及に注力し、低炭素社会の実現に貢献する姿勢を示している。両社は今回の成果を踏まえ、首都圏を皮切りに他地域への展開を視野に入れた検討を進める考えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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