建設技術研究所、シバタ工業と細粒土砂を防ぐ「土砂捕捉スクリーン」を共同開発

■従来の砂防施設では対応困難な掃流砂に新技術、施工性と耐久性を両立

 建設技術研究所<9621>(東証プライム)は10月31日、シバタ工業と共同で、豪雨災害後に多発する細粒な土砂流出を防止・軽減する新型砂防施設「土砂捕捉スクリーン(特許出願中)」を開発したと発表した。同技術は、豪雨後の中小降雨により生じる細粒土砂の流出による氾濫被害を抑制することを目的としており、山間部や流末水路が十分でない新興住宅地などでの防災対策強化が期待されている。

 近年は、豪雨時の大規模な土石流に加え、その後の降雨による細粒な掃流砂の流出が生活圏に深刻な被害を及ぼしている。既存の砂防堰堤はこうした小規模かつ継続的な土砂流出に十分対応できず、氾濫防止の新技術が求められていた。「土砂捕捉スクリーン」はこの課題に対応するもので、掃流形態の細粒土砂を効率的に捕捉する新しい機能を備える。捕捉した土砂の撤去が容易で、プレキャスト化や軽量化により施工性・経済性にも優れる。また、主要部材に超高分子量ポリエチレンネットを採用し、屋外曝露環境で1年間の静的荷重載荷試験を行い、十分な強度と耐久性を確認している。

 同技術はシバタ工業で製品化され、すでに販売が開始されている。今後、建設技術研究所は対象地域での適用性を検証し、共同開発先と連携して全国的な導入を推進する方針である。両社は、豪雨災害後の中小降雨による土砂氾濫被害の低減を通じて、安全・安心な地域社会の形成に寄与する考えを示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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