【話題】トヨタ3カ月ぶり7000円割る、1月末に大台割れなら月足が悪化

アベノミクス恩恵相場終了につながる

 マーケットの指標的存在のトヨタ自動車<7203>(東1・売買単位100株)が7日前場、166円安の6917円と遂に心理的な下値のフシである7000円を割り込んでしまった。暮れの大納会終値から僅か4営業日で実に571円の下げとなり7000円大台割れは昨年10月1日以来3カ月ぶりである。

 8月25日の中国安時のボトム6650円には、まだ267円の余裕はある。しかし、「トヨタには中国経済の減速より米国景気のほうが気になる。昨年8月には中国だけの問題で米国利上げは決定していなかった。今回は米国利上げが表面化したことが株価下押しとなっている。短期はともかく中期的にトヨタの業績下振れ有無が最大の注視材料である」(中堅証券)という。

 相変わらず個人の信用買残は多い上に、今回はプロの機関投資家に玉が残っているとみられていることから需給関係は極めてよろしくない状況のようだ。

 さらに、チャート派が気にするのは、「月足チャート」である。仮に、このままの7000円割れ株価で1月末の終値になると、「24カ月線」(現在7088円)を下回ってしまう。もしも、24カ月線を下回れば、アベノミクス始動相場の2012年11月以来となる。言い換えれば、トヨタが24カ月線を切れば、アベノミクスの中心銘柄が崩れ、アベノミクス自体がマーケットにおいて存在感を失うことにもつながる心配がある。トヨタの行方から益々、目が離せない。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■金融・医療・公共分野に特化した高精度処理、低コストで安全運用可能  NTT<9432>(東証プラ…
  2. ■ジャイアンツ球場隣接の221邸、シニアの健康・交流を支える新拠点に  フージャースホールディング…
  3. ■IT・スタートアップ中心に若手CEO台頭、経営のスピード化が進展  帝国データバンクは10月14…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る