【株式評論家の視点】川崎汽船は26週線乖離縮小で出直り接近、好業績で225採用銘柄

株式評論家の視点

川崎汽船<9107>(東1)は、1月28日の高値355円時点で26週線との乖離が拡大したため調整入りしていましたが、乖離が縮小してきたため再び注目できるところに来ているようです。

同社は、世界の海上輸送のニーズに適応した、さまざまなタイプの船隊を保有・運航する世界有数の総合海運会社。主軸のコンテナ船をはじめ、ドライバルク船、自動車船、LNG船、油槽船、エネルギー資源、重量物船の輸送のほか、ターミナル事業、物流事業を展開しています。

今2015年3月期・第3四半期業績は、売上高が1兆0150億6100万円(前年同期比10.6%増)、営業利益が403億2700万円(同67.2%増)、経常利益が461億8500万円(同58.3%増)、純利益が330億0600万円(同2.1倍)に着地。

コンテナ船事業で運賃市況が東西航路を中心に安定的に推移、荷動きも堅調。高収益貨物への取組みやコスト削減に努め、黒字回復達成したことが寄与。不定期専用船の市況は低迷したが、コスト削減が奏功しました。

通期業績予想は、売上高が1兆3500億円(前期比10.3%増)、営業利益が460億円(同59.4%増)、経常利益が480億円(同47.9%増)、純利益が250億円(同50.2%増)と見込んでいます。年間配当は5円(同50銭高)を予定しています。

ドライバルク事業での市況低迷など事業環境の悪化はあるが、コスト削減に加えて、堅調な荷動きを背景に北米航路で運賃市況の修復が進んだコンテナ船事業、運航効率改善に努めた自動車船事業、また市況回復を背景としたエネルギー資源輸送事業などの収益が改善、ドル高円安の進行・燃料油価格の下落も寄与し、従来予想を上ブレする見通しです。

株価は、昨年10月14日安値214円から今年1月30日に昨年来高値355円と買われた後、320円割れで下値を固め上昇し出直っています。2007年10月につけた上場来高値は1760円と天井が高く、24カ月移動平均線がサポートしており、400円のフシ挑戦が視野に入っています。

北米航路でコンテナ船事業が好調で今後も海運株を牽引し、日経225採用銘柄の好循環買いに一役買うと期待されます。今期予想PER12倍台、PBR0.72倍と割り負けしており、一段と騰勢を強めるか注目ですしたい。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る