【株式市場特集】2つのディフェンシブ系小型食品関連の鶏卵株・砂糖株に注目

 今週の当特集では、「左ジャブ投資」の局地戦候補株としてマーケットのセンターから外れては金融システム不安や配当の再投資の需給相場の影響を受け難く、さらに独自のカタリストやファンダメンタルズを内包する銘柄をスクリーニングした。浮上したのは、2つのディフェンシブ系の小型食品株である。その一つは、鶏卵価格の世界的な高騰による「エッグフレーション」で業績を上方修正した鶏卵関連株、もう一つは同じく粗糖価格が高騰したものの、値上げなどで対応して逆に業績を上方修正した砂糖株である。株価が、暖気運転から徐々にセカンド、サードとシフトアップし表舞台でスポットライトを浴びるようになるなら新規マネーを呼び込む展開も想定範囲内となる。

■「エッグフレーション」関連株は過去最悪の殺処分で相次ぎ業績上方修正

 「エッグフレーション」は、飼料価格の高騰と世界的な高原性鳥インフルエンザの感染拡大が背景で、国内でも感染したニワトリの殺処分が、今年2月中旬現在で過去最悪の11478万羽に達し、全国の飼養羽数の1割を超え卵の出荷数が減少したことから万年低価格で「物価の優等生」といわれてきた卵の卸売価格が、8割強高した。収束時期については、鳥インフルエンザの発生は例年、3月以降に減少に転じる傾向にあるとされる一方、ニワトリは、ヒナから成長して採卵できるまでに7カ月から10カ月は掛かるとされ、ただちに出荷数が拡大することはないとしてなお需給ギャップが続くとの見方もある。業績を上方修正したホクリヨウ<1384>(東証スタンダード)、イフジ産業<2924>(東証スタンダード)、同じく飼料価格高騰に対する支援金寄与で業績を上方修正した秋川牧園<1380>(東証スタンダード)、自社養鶏場で鳥インフルエンザ発生を発表したアクシーズ<1381>(東証スタンダード)などが関連株となる。

 また養鶏用飼料を供給している日和産業<2055>(東証スタンダード)は、穀物価格高騰に際して期中に3回も配合飼料価格の値上げを実施した。アゼアス<3161>(東証スタンダード)は、今4月期第2四半期業績を新型コロナウイルス感染症関連需要の反動減で下方修正したが、鳥インフルエンザの感染拡大抑制のための消石灰による緊急消毒の防疫作業用に個人用保護具の需要が拡大し、第3四半期業績がV字回復して着地した。さらに子会社が消石灰メーカーに名を連ねる宇部興産<4208>(東証プライム)、富士フイルムホールディングス<4901>(東証プライム)なども、防疫関連株として別評価されそうだ。

■砂糖株には国内産原料の優位性発揮で業績を3回上方修正のケースも

 砂糖関連株で今3月期業績を上方修正したのは、東洋精糖<2107>(東証スタンダード)、日本甜菜製糖<2108>(東証プライム)、DM三井製糖ホールディングス<2109>(東証プライム)、フジ日本精糖<2114>(東証スタンダード)、ウェルネオシュガー<2117>(東証プライム)などである。

 このなかで出色は日本甜菜製糖である。原料が、国内産のビート(砂糖大根)で為替動向に左右されず安定調達できる優位性のうえに、販売価格値上げも上乗せとなって今3月期業績は、第2四半期業績を含めて合計3回も上方修正された。自己株式の立会外買付取引を実施し株主優待制度の新設を予定するなど株主還元策を相次いで打ち出した。DM三井製糖とフジ日本精糖は、製品価格の値上げが上方修正要因となっており、両社とも今期の年間配当をそれぞれ17円、80円に増配予定である。さらに東洋精糖とウェルネスシュガーは、期中にいったん下方修正したものを一転して上方修正したもので、この上方修正要因は、東洋精糖が、固定資産売却益の計上、ウェルネスシュガーが、今年1月に経営統合した伊藤忠製糖の業績上乗せとなっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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