清水建設は3Dプリンタでコンクリート構造体を造形、建築物個別の大臣認定不要

■国内初の指定建築材料「構造用ラクツム」を開発

 清水建設<1803>(東証プライム)は7日、3Dプリンティング用のコンクリート材として自社開発した「構造用ラクツム」を建築構造体のプリント施工に初適用したと発表。適用物件は、東京都江東区に建設中の自社施設「潮見イノベーションセンター(仮称)」内に整備した駐車場の屋根構造物で、膜屋根の外周を囲うアーチ状の構造体の一部に、構造用ラクツムを積層して構築した「プリント構造体」を適用した。併せて、屋根を支持する斜め柱のコンクリート型枠として、構造体の一部として構造計算に算入できる「プリント構造体型枠」を活用している。

 構造用ラクツムは、建築基準法上の指定建築材料として国土交通大臣の認定を受けており、同件では、建築物個別の大臣認定を要さず通常の確認申請手続きのみで、プリント構造体を活用した建築物を完成させた。

 構造用ラクツムは、同社が2020年に3Dプリンティング用に独自開発した繊維補強セメント複合材料「ラクツム」に粗骨材を混練したコンクリート材。ラクツムは、形状を保持したまま2m以上の高さまで積層することができ、その積層体は通常のコンクリートと同等以上の力学特性と耐久性を備えている。

 同社は今後、建設3Dプリント施工のさらなる普及に向け、適用案件の拡大とプリント施工のさらなる効率化に向けた技術開発に注力していく考え。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る