三井住友建設、「洋上浮体式太陽光発電」の技術実証が終了、実用化へ

■波浪下でも発電安定、社会実装に向けた一歩

 三井住友建設<1821>(東証プライム)は5月19日、東京都の「東京ベイeSGプロジェクト」先行プロジェクトとして採択された「洋上浮体式太陽光発電」の技術実証を完了し、取得したデータの検証結果を公表した。鋼製浮体を用いた浮体および係留システムが洋上での波浪に対して安定していることが確認され、また実証期間内では塩害の影響も軽微にとどまった。さらに、陸上に設置された太陽光パネルとの比較において、洋上における発電量が高く、水面による冷却効果がその要因であると推察される結果が得られた。

 同実証により、洋上での浮体式太陽光発電に必要な安定性と耐久性の一端が示されたこととなり、将来的な社会実装に向けて有効な成果といえる。今後は、より長期的な安全性・コスト低減の観点から検証を続けるとともに、技術の実用化を推進していく方針である。実証設備はすでに2025年3月末に撤去済みであり、結果の精査が進められている。

 三井住友建設はこれまでも水上太陽光発電の実績を持ち、ため池などで計8件の事業に取り組んできた。今回の実証で得られた知見を活かし、今後は港湾区域のような比較的静穏な洋上での展開を視野に、浮体式太陽光発電システムの適用先拡大を進めていく考えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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