インテージヘルスケアと静岡県立大学、生成AIを活用した新規がん免疫治療薬に関する共同研究を開始

 インテージホールディングス<4326>(東証プライム)グループのインテージヘルスケア(本社:東京都千代田区)と静岡県公立大学法人静岡県立大学(静岡県静岡市、理事長:尾池和夫)は2月7日、生成AIを活用した新規がん免疫治療薬の創製に関する共同研究を開始したと発表。

 静岡県立大学大学院薬学研究院の浅井章良教授らは「IDOおよびTDOを標的とした新規がん免疫治療薬の開発」の研究を進めてきた。IDO(インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ)とTDO(トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ)は、トリプトファン(※1)代謝経路に関与する酵素であり、免疫応答や神経伝達などに重要な働きをしているとされている。浅井教授らは独自の細胞系アッセイ(※2)によってすでに複数の阻害化合物を見出すことに成功している。一方、インテージヘルスケアは、株式会社理論創薬研究所、株式会社アフィニティサイエンスとともに、AI創薬による実践的な新規化合物デザインを製薬企業および大学などの研究機関と進めている。

 共同研究では、インテージヘルスケアがAIによる化合物構造のデザインを行い、静岡県立大学ではデザインされた低分子化合物の化学合成と評価実験等を行うことで、既存の化学構造とは異なる新規リード化合物の創製を目指していく。

 また、この共同研究はインテージヘルスケアが実施する「インテージヘルスケアAI創薬アカデミックプログラム(INTAGE Healthcare AI drug discovery Academic Program:IAAP)」の一環として実施するもの。

※1 トリプトファン:人間の健康維持に欠かせない必須アミノ酸の一種。トリプトファンは、セロトニンを生成する重要な役割を持つほか、組織修復や免疫調節にも関与している
※2 細胞系アッセイ:細胞の機能や特性を調べるための実験手法のこと

【「インテージヘルスケア AI創薬アカデミックプログラム」について】
 AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」などAIによる計算アプローチにより新薬開発の化合物探索及び化合物デザインを行うとともに、インテージヘルスケアが化合物の提供までを行うことにより、アカデミアの持つ研究テーマにおいて医薬品候補化合物を見出す共同研究によるスタートアッププログラム。
 アカデミアのもつ研究テーマとモデルに対して、インテージヘルスケアらがAIによる化合物デザインを行い実際の化合物までを提供、アカデミアにてin vivo ないしは in vitroの評価実験を行い、新薬の候補化合物を見出そうとするもの。
 このプログラムによりAI創薬による医薬品開発を促進し、加速させていく。

【「Deep Quartet(ディープカルテット)」について】
 AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」は、インテージヘルスケアと株式会社理論創薬研究所、株式会社アフィニティサイエンスが3社連携で提供するサービス。「Deep Quartet」は、深層強化学習の技術である(1)Deep reinforcement learning、ファーマコフォアモデルを用いるソフトウェア(2)LigandScout、網羅的なターゲット予測を可能とする機械学習ベースの技術(3)CzeekSを組み合わせた一連のフローであり、ここに(4)メディシナルケミスト(有機合成化学者)の知見を加えることで、Quartet(四重奏)によるAI創薬プラットフォームを実現している。

【株式会社インテージヘルスケア】
 インテージヘルスケアは、ヘルスケア領域のマーケティングリサーチおよび医薬品開発・製造販売後調査・安全性業務支援をコアビジネスと位置付けている。インテージグループのヘルスケア領域を担う各社※と一体となり、ソリューションを提供。それにより、ヘルスケア領域のあらゆる課題に対して、「医療消費者」起点のデータの価値化による、最適な意思決定をサポートしていく。
※ 株式会社協和企画、株式会社インテージリアルワールド、株式会社プラメド、Plamed Korea Co., Ltd.

【静岡県公立大学法人静岡県立大学】
 静岡県公立大学法人静岡県立大学では、高い学術性を備えた教育研究活動を持続的に実践し、領域横断的な教育・研究を行っている。
(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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