清水建設、都都心の地域熱供給プラントに水素吸蔵合金を活用した水素貯蔵システム導入

■省エネ法対応、グリーン水素活用でCO2削減

 清水建設<1803>(東証プライム)と産業技術総合研究所が共同開発した水素貯蔵システム「Hydro Q-BiC Storage」が、TBSホールディングス<9401>(東証プライム)のグループ会社の赤坂熱供給の地域熱供給プラントに導入される。このシステムは、水素吸蔵合金を活用し、オフサイトから運ばれる大量の水素を安全かつコンパクトに貯蔵する。プラントでは、省エネ法に対応するためグリーン水素を活用し、水素燃料電池と水素混焼ボイラーに供給することで、CO2排出量を削減する。設置工事は2025年10月に完了し、2026年1月にシステムの稼働が開始される予定だ。

 Hydro Q-BiC Storageは、太陽光発電の余剰電力で製造したグリーン水素を貯蔵し、必要に応じて利用する建物附帯型の水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」の貯蔵システムである。水素吸蔵合金タンクは、常温・低~中圧で水素を吸蔵・放出でき、着火せず非危険物として扱えるため、都市部の施設にも導入しやすい。

 今回導入されるシステムは、水素貯蔵量75Nm3の大容量タンク18本で構成され、システム全体の水素貯蔵量は1,350Nm3、水素吸蔵性能は1時間あたり最大1,000Nm3に達する。オフサイト水素の充填作業は2時間以内に完了し、装置内の圧力を1MPaG未満に抑えることで、高圧ガス保安法の対象外施設として運用可能だ。

 今後、都市部を中心に、オフサイト水素を大量かつコンパクトに貯蔵できるシステムの需要が高まると予想される。清水建設は、Hydro Q-BiC Storageを地域熱供給施設や生産施設への導入を提案し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく考えだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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